あの事件以来
男子が私と目を合わせなくなった。

噂とは怖いもので実際より誇張されて広まる。
誰がそんなことしたんだろうか。


「なまえ」

聞きなれた声が聞こえる方へと振り向く
予想通りの人物がそこには立っていた。


「精市」

「あのさ」

「なに?」

「今日どうしても部活抜けれないみたいなんだ」


「今日は記念日じゃないよ?」


「なまえ...誕生日でしょ」


そうだ。すっかり忘れていた
ここのところめまぐるしい生活を
送っていたためか、それすら忘れていた。


「忘れてた」

「はい、これ」

「開けていい?」


「もちろん」


「ネックレス!!」


「これの存在も忘れてたみたいだったし」


「ご、ごめん」


「付けてあげる」


彼はそういうと私の後ろに立ち、
器用にネックレスをつけた。



「精市はつけてるの?」

「もちろん」


「ねえなまえ」

「はーい?」

「もっと甘えてね」

「え?」

「甘えろ」

「はい」

「いいこだね」

彼は笑って私の頭を撫でる
心地よいこの空間がたまらなく好きだ。

今日が過去になる前に
(言いたいことは二つあったんだ)




end
→あとがき


  


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