「そこにいるのは吉川君と、なまえ?」

「精市・・・」

「人の彼女に馬乗りするなんていい度胸してるね」

「違うんだ、こいつが俺を誘ってきて・・!!」

「は?なまえが?ありえないね、ついさっきまでずっと俺と一緒にいたのに」

「お前に飽きたって言ってて」

「俺は君みたいなカスなやつのように飽きさせるようなことしないんだけど?」

「あっれー吉川先輩だー!」

なんか後ろにぞろぞろとテニス部がいる。
なんだろうこれ。すごく怖い予感がする。

「幸村、精神がたるんどる奴とはコイツか?」

「ああ、そうだよ真田。潰してやってくれないかな。」

「吉川が彼女を襲った確率・・・120パーセント・・といったところか」

「あーあ、なまえの手首相当腫れてるぜぃ?」

「早く冷やさなければいけませんね」

「お前のせいで紅葉さんは傷ついたみたいなんだが」

「それなりに償わんとのう」

「思いっきり殴っていいっすよね」


「じゃあ、吉川は頼んだよ」

「イエッサー」

と7人の愉快なテニス部に吉川は連行された。
なにされてるんだろう。

「なまえ」

「ごめんなさい」

「なんで謝るの?」

「キス、された。」

「俺こそごめんね」

「私がいけないの、精市は助けに来ないって一瞬でも諦めたから」

彼女は涙を流して俺に謝った。
今回の件は何も悪くないのに。

一瞬でもあなたを裏切った私を許してほしいと。


「なまえ」

「な・・・に?」

「俺はね、君が思っている以上に君が好きで
 大好きでどうしようもなくて
 君のすべてを愛してる。それは知ってるよね?」

「うん」

「だから、君を信じるし今回の件は君が望んだことじゃないってことくらい分かってる」

「ほんとに?」

「誓うよ」

俺がそう言うと彼女は安心したのか
抱きついてきて大好き大好き愛してると何回も泣きながら繰り返して言う。

「そんな腫れた顔じゃもう授業出れないね」

「そうだね」

「保健室いこうか。今日は俺が送っていくよ」

「部活は?」

「休む」

「でも試合あるって・・!!」

「俺に勝てるわけないから。」


笑って言ったあと
急に今度は彼が私を抱きしめた。


「本当に、心配したんだ。」

「ごめんね、気をつける。」

「消毒しないとね」

「うん」


優しく唇が触れて徐々に深いものへとかわっていく。
何度目だろうと思っていても
意識が飛びそうになるくらい甘いもので
私はそれに溺れたまま抜け出せそうにもない。


僕の大切な彼女
(どんな事があっても愛して守り続けるから)




  


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