「ごめん、ちょっと手洗ってくるね」


といって精市を待たせているから
早く教室に戻ろうとした先
知り合いに絡まれてしまった。


「あ、紅葉ちょっといい?」

「なに?」

「お前と話があるやつがいるみたいだからついてきて」

「用事があるんだけど」

「幸村にもいってあるから」

その言葉を信用してきたところが
体育倉庫。嫌な予感しかしない。

「ここまで来るんだったらいいよな」

「話があるひとは?」

「俺」

「はあ?」

「幸村と別れて俺と付き合ってくれよ」

知り合いってだけで苗字も
とっくに忘れたやつと付き合うなんて
私には無理だ。その前に精市がいる。
私が精市を捨てるなんてできないし
まず向こうが離してくれるはずもない。

「いやだ」

「俺より幸村がいいか」

「あんたみたいに卑怯じゃないからね」

「じゃあ俺が幸村に嫌われるようにしてやるよ」

「そんな事望んでない」

「俺は望んでる」

「勝手に言ってれば?戻る」

そうしようとすれば彼は
私の腕を強く握り引っ張る。

「待てよ」

「なに?」

「やらせろ」

「あんたに抱かせるほど馬鹿じゃないから」

「黙れ」

人が変わったように私へ
強引に近づいてキスをしようとする

「やめて!!」

こいつは聞こえてないんだろうか
それでもあきらめないみたいだった。

「ってえな・・・」

私が彼の腕に爪を立てれば
向こうがにらんできた。

「ほら、もうやめて」

「ぜってー許さねえ」

そう言って彼は私に向かって
馬乗りしてきた

「逃げれねえだろ」

「お願い、やめて」

「大人しくだかれろ」

じたばたと抵抗しても
力が強くて到底かないそうにない

  


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