翌日の放課後のことだった。
私とはまるで違うような女の子に
「雅治のなんなの?」
と問い詰められた。
彼女はどうやら仁王くんのことを
自分の“彼氏”だと思い込んでいるらしい
「私の雅治を取らないで」
邪魔だからと彼女は私に言うと
思いきり頬をビンタされた。
「った・・。」
「次電話なんかしてたら、殺すから」
私が思っていた以上に彼の
周りにいる女の子はめんどくさいのが
いまようやく分かった。
仁王くんも大変だなと思いつつ、
「わかった」
そう一言だけ言って立ち去った。
携帯を開いて電話帳を開く。
“仁王雅治”を削除しますか?
― はい
これでおしまい。少しだけだったけど
仁王くんと話せて楽しかった。
いろいろ誤解もとけたし。
着信拒否しても
夜になれば仁王くんからのメールが
いくつかきたがすべて見なかった。