「もしもし」
「もしもし」
「あの」
「言わんでもわかる。本みたんじゃろ?」
「まあ・・・」
「死ぬ」
「は?」
「結末は死ぬんじゃ」
「そうですか」
「悲しいのう、死ぬなんて」
「でも人はいずれ死にます」
「そうやけどの」
「なんでページをやぶったんですか?」
「お前さんの興味をひきたかったんじゃ」
「はあ?」
“お前さんのことみとーよ”
彼は最後に一言
「あ、そうそう俺はお前の隣の席の仁王じゃ、よう覚えときんしゃい」
そういって一方的に通話を切られた。
電話をしなければ良かったと後悔しても
遅いなんてもんじゃなかった。