「あの幸村が動けないなんて」

正直この状況は観るのが辛かった。


「幸村・・・っ」

真田も蓮二も
仁王も丸井も柳生もジャッカルも赤也も

全員思ってる事は同じだった。

なんとしてでも勝ってほしい。


“全国で三連覇をするのが目標なんだ、立海で”

“なんとしてでも俺は皆の元へ戻らなくちゃいけない”

その思いで戻ってきたのに
幸村が負けてしまうなんて


最後の一球が決まった瞬間


私はまったく想像していなかったが、
涙があふれて止まらなかった。



でも彼は出来る限りやったんだ
いつも通り「お疲れ」と言って
タオルを渡すのが私の役目だから


涙を無理やり止めながら
幸村にタオルを渡した。


「皆、すまない・・・」


こんな表情をした彼らを見たのは初めてだった。

「精市お前だけではない」

「ああ、全員の責任だ」


どこまでこいつらは仲間思いなんだろうか。
馬鹿すぎてまた涙が出てきた。


「なまえ泣きすぎじゃ」

「だって・・・」

「俺らの分はしっかり頑張ってくれるよなァ?赤也が!」

「せ・・っ・・先輩!!!」

「ほらみんな、そんなとこにいないで表彰に行くよ。」



改めてこんな馬鹿な人達だけど
一生の思い出になる中学校最後の夏がすごせたことを
私は誇りに思うとともに
今日でマネージャーを引退することになる。

でも私の中では高等部へいっても
また支えたいという気持ちが強いのは確かだった。





 
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