幸村の病室は個室で
ノックをすると返事が返ってきた。

「こんにちは」

「やあ、来てくれたんだ」

「うん」

「驚いた?」

「そりゃね」

思ったよりも元気そうだった

「そこまで深刻ではないらしいんだ」

「そっか」

「でも全国に間に合うかは分からない」

「ん」

「頑張れとかは言わないんだね」

「頑張れっていって辛いのは幸村でしょ」

「あぁ、そうだね」

「皆待ってるから」

「なるべく早くそっちに戻れればいいんだけどね」

幸村は以前とは違って
すこしネガティブになっているようだった
無理もないだろうけれど。


「俺ね」

「うん」

「全国で三連覇をするのが目標なんだ、立海で」

「うん」

「だから、」

“なんとしてでも俺は皆の元へ戻らなくちゃいけない”

彼が言った言葉には
たくさんの苦労が入ってるんだと思う。

きっと立海で一番頑張ってたのは
幸村なのに。


「ねえ幸村」

「なんだい?」

「無理しないでね」

私がそう言えば彼は
すこし悩む顔をした。


「なまえは優しいね」

「別に」

そのタイミングで丁度真田達が来た。


「幸村部長!!!」

「赤也、頑張ってね」

「俺・・・頑張りますから!!」

「幸村」

「真田」

「お前がいない間俺がかわりに立海を支える」

「ああ、頼むよ」

「だから、立海の事は心配するなお前は自分のことをまず優先してくれ」

「ありがとう」


そしてこの一週間後、ついに
関東大会が始まった。





 
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