サニーがあだ名になる審神者
 


「ねぇー、サニー。俺近侍するの面倒なんだけど。長谷部に変わってくれない?」
「駄目。長谷部は書類仕事不得意だから。それに今日は演習がある日だって知ってるでしょ?うちの本丸でレベル高い刀剣は限られてる。そしてそれを束ねられる人もね。」
「でもさぁ、サニー。今日は俺、薬研と一緒に買い物行く予定だったんだけど。台無しじゃん。」
「お買い物より政府の言うこと聞く方が大事でしょ?」
「もう、サニーって本当、」
「てかさっきからサニーってなんじゃああああ!!」

審神者の自室で繰り広げられていた会話は耐えきれなくなった審神者の声で一旦停止する。審神者は手をわきわきと動かしながら溜まったストレスを解放するように勢いよく話し始める。

「サニーって何?前にキュアがつくの?前後はサウザントと号がつくの?車種なの?」
「主のあだ名だよ。審神者からとってサニー。外国人になりたいって言ってたから丁度いいじゃん。」
「よくねーよ!私なんちゅうあだ名つけられてんだよ。私の名前、花だって。」
「サニー、政府から手紙来てるよー?」
「お前もか!」

ノック無しに入って来た小さい背丈の彼は突っ込んだ彼女に冷ややかに笑った。悪魔の笑みである。

「やだな、サニー。もうこの呼び方は本丸内に広まってるよ。」
「ほたるぅ……。お願いやから私のこと悪く言わんで……。小さい子に責められるのは苦手やねん……。」
「だぁって、他の来派が来ないのは誰のせいだっけ?えぇ?」
「ひっ……大太刀の凄み効かせんといて……。」
「まあまあ、蛍丸。サニーも反省してるからさ。」
「だからそのサニーをやめんかい!!」

しばらく本丸内では「サニー」が流行ったそうな。短刀たちにサニーとよばれる審神者の顔は緩んでいたとかいなかったとか。