(初恋篇)


「ちょっと隆ちゃん。遅いよ」
「ゴメンな、真央」
「はい弁当。じゃ」
「あ、待って待って!」
「何。私すっごい機嫌悪いんだけど」
「え?なんで?」
「いや…あのさ…」

アイスの棒を噛みながら先ほどの出来事を思い返す。



「ていうか、その制服ってうちのじゃないじゃん」
「話変えんなよ」
「どこ高校から来たの」
「高校じゃなくて、中学。中3だから」
「…え。……え!!!?」
「何その反応。ウザい」
「だって……え!?わ、わりィ…17くらいに見えた…」
「………」
「え、何なんか怒ってる…?」
「絶対……絶対この学校には入学しないから!」
「何でそうなるんだよ!?」

ピリリリ

「あ、隆ちゃんー。どこー?」
「あ、ちょっおい……隆ちゃんって、彼氏かよ…」



「別に。ムカつく教師がいただけ」
「お前さー、すぐ先生に歯向かうなよ?」
「うるさいよ。ていうか隆ちゃんこそ、なんか呼ばれてるよ」
「青田−!」
「あ、はい!これ、お礼な。気を付けて帰ろよ」
「お、ありがと」

隆は真央に500円を渡して、弁当と木刀をぶら下げて戻って行った。
………500円でもっかいアイス買おう。





「青田。誰でィさっきの女。彼女か?」
「違うよ。妹」
「ああ、隆がよく話している妹さんかァ!可愛らしいなァ!」
「お前ら、部長が睨んでるって」
「あ、やべ」

「おー元気にやってるー?」
「あ、坂田先生が来た。珍しいなぁ」
「それはどういう意味だー青田?」
「って、どうしたんですかィ。擦り傷だらけですぜィ」


坂田はボリボリと頭を掻いた。

「あー……。中学生には見えない、可愛い子がいてな。でも痛い目見たわ」



追いかけようとしたら窓に足つっかかって落ちた。






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