(入学篇)

さて風呂風呂。
ロッカールームから下着と野球のユニフォーム、タオルを持ってシャワールームに入った。
床のタイルが冷たいからシャワールームにあるスリッパにはきかえて、一番奥の部屋を開けた。
別に新しいわけじゃないけど5つもあって結構便利なこのシャワールーム。
暑い時とかに普通に使える分には問題ないんだけど、男子と女子とで使い分けされていないから少々その方面に関しては色々と問題がある。
今は誰もいないからそれが幸いだった。


ザァァァァァァァ


「…んっ」


髪をごしごしと洗って、花のかおりがするシャンプーを手に少量かける。


キィ…


誰かがシャワーをしに来たようだ。複数の足音が聞こえる。

「ここだよね…」
「ね、どうする?」
「もういいじゃん!」

ガゴッガコンガタガタ

「ほらそっちもって!」
「う、うん」
「…は?」

女子の声が3人。スモークガラスの向こうの影で、なにか動いている。
ちょっとなんですか覗き?

「…よし」
「ねえ、なに?」
「「「!」」」
「な、なによっあんたが悪いんだからね!」
「坂田先生に色目使って近寄って!」
「また先生を苦しめるつもりなんでしょ!」
「……はあ?」

なんでここで銀八が出てくんだよ

「それよりあんたたちなに?」
「3年よ。あんた、郁先輩の知り合い?」
「だれ?それ」

いく?

「知り合いじゃないにしろ坂田先生をこれ以上悲しませないで!」
「だからなにが!!」
「もういいよいこ!」
「うん!」
「ざまあみろ!」

バタバタバタッ

「……はあ?」

えっと、頭ン中整理すると…お前は銀八と仲よすぎだろ。悲しませるな。郁と知り合いか。ってこと?いや、意味わかんない。
てか…そうしてる間に頭も体も洗ったし出よう

ガチャッ

「あ?」

ガチャガチャガチャガチャ

「ちょっ…え?」

ま、待って。え?落ち着こう。一回落ち着こう。え?
…………あかない!!!!!!????

「ちょっと!」

ドンドンドンドンッ

声を上げても誰もいないのはわかりきっている。
不意に体が身震いして、向こう側にあるタオルも何も取れない私はシャワーかけっぱなしにしておこうと考えだし口を捻った。

ザァァァ

「!?つ、つめた」

すぐに腕を引っ込めてシャワーから流れる水をとめた。
設定温度まで変えられたってこと?んじゃあ、なに。…私に死ねと。
意地でも出てやる…!

「んっ」

ドン!ドンッ

「はぁ……すぅ、誰かあああああああああああ!!!!」

シーン……

……ダメだ。も、体が冷えすぎて限界。
ペタンとタイルの床に体育座りして、膝の上に額を置くように俯いた。
悪いみんな。焼肉食えそうにないわ……




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