(入学篇)

「な、ウチらダチにならねーッスか?」
「は?」
「お互い先輩にもクラスメイトにも嫌われてる。ってことで、嫌われ者同士手を組みましょーよ」
「……?何言ってんの、あんた」
「さぁ…自分でも何言ってるかわかんないけど」

ちょいちょいと手招きされて、ゆっくり近づいたら思い切り腕を掴まれた。

「……知ってるッスよ。坂田のこと」
「…坂田がなに?」
「アンタが坂田銀八のこと好きって、ウチ知ってますよ」
「………え?」

パッと顔を見ると、してやったりといったような表情でニコヤカに微笑んでいた。

「…………好きじゃない」
「またまたぁー」
「うるっせえよ!」
「実の事を言うと私も好きな人、いるんスよ」
「聞けよ!」
「まあ好きなっていうか憧れっていうかぁ」

そこで更に声を潜めだす来島。

「…………2Zの教室の近くに、保健室あるじゃないスか」
「…ああ、あった様な…」
「…そこの高杉先生っていう人…チョーかっこよくないッスか!?」
「ちょっ声でかい……あと、誰?高杉って」
「えええ知らないんスかぁ……ま、いいや」

とにかく!と来島は鼻息を荒くさせて私を睨んだ。

「お友達になりましょーよ!!」


「…いいけど」


こんな強引に友達ってなるもんなんですかねぇ?




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