(初恋篇)
結局、目の前に出されたのはカップラーメンと焼いたハム。
二人してテレビ見ながら、無言でひたすら麺を啜った。
「そういえばよォ」
「ん?」
「受験勉強、はかどってんのかー?」
その言葉にギクリとして、進んでいた箸が止まった。
銀八は横目で私を見ながら、「ん?」と聞いてくる。
「……どこに行くか、まだ決めてない」
「はあ?行かないの?」
「……」
「あ、いや別にお前の勝手だけどよー…うち来ればいいのに」
ガシガシと頭を掻きながらだるそうにぼやく銀八を、思わず二度見した。
「そこらへんの高校より面白い奴らいっぱいいるし、うん。校長バカだから、お前みたいにちょっと道外した感じの奴いても怒られねーし」
「…別にそういう問題じゃない。行く意味がないって言ってんの」
「じゃあよ、あー…ゲーム、しねェ?」
「は?ゲーム?」
「そ、ゲーム。銀さんは先生。お前は生徒。今から出す問題に、模範解答で答えることができたら、真央は俺の生徒として、銀魂高校に通いなさい」
「……え?なにそれ、私がわざと問題に間違えたらいい話でしょ」
「どうかな」
坂田はフッと笑って、ココアを一口飲んだ。
「…別に、いいけど」
「ただし。約束は守れよ?」
「……あー…。ん、」
コクンと頷いたら頭を撫でられたからさっと払った。
「じゃあもんだーい」
坂田が私の頬に手を添えて、じっと見つめてくる。
紅くて死んだ魚みたいな目をして、じっとこっちを。
その視線に耐えきれなくなった私はチラリと時計を見た。
「青田真央さんは、坂田銀八のことを…」
「…ことを?」
「…愛していますか」
「正解」
「…ズルい、そんなの」
「あー?問題は出題者の自由だろ」
「そうだけど」
なんでそんな悲しそうな目をして笑うの?
(愛してなんかない)
20111210
ニコ動の金魂神MADリンクの動画は神がかってます
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