「んんっ…」



目を開けると、なまえと目が合った。イスに座っている俺をしゃがんで見上げて、あの日と同じ目だ。また俺は夢を見てるんだろうか。えーっと…小説を書いてたらなまえが来て…。



「あ、やっと起きた」



どうやら、俺はあの奇妙な卵焼きを食べて、そのまま意識がフェードアウトしたらしい。食べたかどうかすらおぼろ気だ。本当にあれは食べ物だったんだろうか。新手の兵器かなんかじゃねーのか。



「さっきあいつらにも食べさせてあげたんだけどさ」



と言って、なまえが視線を送った先には黒服が2人倒れていた。さすがの俺も同情せざるを得ない。いつの間に俺の妹はヒットマンになったんだろうか。目を開けたまま倒れているのかと思ったが、なまえの手にマジックペンが握られているから、たぶんそういうことだろう。ヒットマンのくせに古典的なことをするやつだ。



「あのさ、やっぱりお兄ちゃまとお父様って親子だと思う」

「なんだよいきなり」

「こうしてみるとそっくり」

「そりゃあ俺はどっちかっつーと親父似だけど…」



なんでいまさらそんな感心したような顔して見るんだよ。今までさんざん見た顔じゃないか。だんだん意識がはっきりして気づいたが、口の中がものすごく変な味だ。とりあえずそこにあったコーヒーを飲んだが、それがまた口内の環境を劣悪にする。



「…なんか食いに行こうぜ」

「いや、そういう顔の人とはちょっと」

「いつにも増して酷い言い草だな」

「うん、鏡見てみれば?」

「あ?」

「それでその顔をどうにかしたら考えてあげる」



そう言って半笑いのなまえが立ち上がる。なんだよ、鏡って。だけど次の瞬間、黒くなったパソコンのディスプレイに映る自分の顔を見て意味がわかった。なまえの手に握られたペン。どっかで見たことある鼻と頬の落書き。











デリシャスな日曜日

(うわーマジでそっくり…ってなまえ!)

(遺伝子って怖いねぇ)

(ちくしょうさっきの約束覚えてろよ!)

















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つまり和也の顔にあの染み?ホクロ?をかいたわけです。
もっとわかりやすい文を書きたい。


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