「おひさ〜」
「…なんでまたお前がいるんだよ」
「大丈夫、今日はちゃんと護衛つきだから」
いや、そういう問題じゃない。俺がほんの少し目を離した…トイレに行ってた隙に、どうしてなまえが当然みたいな顔をして座ってるんだってことだ。
「前回といい今日といい、鍵かかってただろ!」
「あぁ、こんなちゃっちい鍵ぐらいどうにでもなるよ」
そういうなまえは、ウサギのキーホルダーのついた鍵をポケットから取り出した。あれ、俺っていつの間にかこいつに合鍵でも渡してたんだったかな。鍵は一つしかなかったはずなんだが。そしてその一つは今もテーブルの上に横たわっているんだが。
「ん?かわいいでしょ、ウサギさん」
「いろいろそういう問題じゃないと思うぞ」
「まぁまぁ、とりあえずそこに座んなよ」
「うるせ、ここは俺の家だ」
何がそんなに嬉しいんだかわからないが、ものすごくニコニコしながら自分の隣を指した。どうしようか一瞬迷って、なまえから少し離れたところに座ると、なまえが隣に移動してきた。まぁそうだな、予想はしてたよ。
「で、何しに来たんだ」
「何って、遊びに来たにきまってるじゃん」
「遊ばねーって」
「大丈夫、利根川みたいにいじめないから!」
「いい年して何やってんだあのオッサン」
「違う違う、なまえがいじめるの」
「…何やってんだよお前ら」
何なんだこいつは。遊びに来たって言ったって、小学生と遊ぶ方法なんて俺は知らない。
「お前はいつも何して遊ぶんだよ」
「おうまさんごっことか、おままごととか?」
「(小5のわりに幼いな)」
「あのおもしろさは見なきゃわかんないね」
「俺はやらないぞ」
「だからカイジくんのことはいじめないんだってば」
本当に何なんだこいつは。ていうか同年代の友達とかいるんだろうか。…俺も人のことは言えないけど。
「あ、なまえお腹すいた」
「まぁそろそろ昼だな。でもうち何もねーぞ」
「なまえはカイジくんの作ったやつが食べたいなぁ」
「残念ながら食材というものがない」
「なんで?」
「男の一人暮らしなんてコンビニ飯って相場は決まってんだ」
「じゃあさ、買いにいこうよ」
「コンビニに?」
「なまえ、スーパーってやつ行ってみたい!」
「行ったことないのか」
「あるわけないじゃん。ね、行こう行こう!」
なまえはすっと立ち上がり、俺の腕を引っ張った。ここ数週間、料理した記憶なんてないけどやらなきゃいけない流れらしい。
MIGHTY BLOW
(はい、どーぞ!)
(…俺がどの帽子被るかまで知ってるんだな)
(その辺ぬかりはないよ!)
---------------- カイジの優しさ発揮。 ところでこのシリーズのタイトルは、わたしのiPodの中身から来てるって気づいたでしょうか← この歌はとてもカイジです。
|