憎めない子供
賢二「…で、誰に泣かされた?」

名前「え!?」

賢二「それ聞いてもらいに来たんだろ」


…見透かされてるな。

そう思い、あたしは宗平とのことを
全部話した。


昌弘「うっわ、ササヤンひどくね!?」

竜二「最低だな!」

名前「…ううん、最低なのはあたし。」


あたしが小さな声で言えば、
山口くんがため息をついて言った。


賢二「こんなトコで話してたらオレの顔が
持たねぇから場所変えるぞ」

昌弘「オレんち!!」

竜二「マーボんちが一番でかいもんなー」

名前「…ありがとね、みんな」


あたしも一応お金持ちで。
みんなの家には行ったことあるし、別に驚かない。

なんだかんだ言って優しいんだよね、みんな。


名前「山口く〜ん!」

竜二「あんの迷子野郎!」

昌弘「ヤマケンなんてほっといて行こうぜ〜!」

壱成「(コクコク)」


そう、この通り。
山口くんが迷子になった。

…憎めない子供みたい。

宗平、みたい――。

いや、駄目駄目。
今は忘れて!


賢二「迷子じゃねぇよ」

昌・竜「迷子だろッ!」

名前「…ぷ。」


あたしが笑うとみんなあたしの方を一斉に向く。


賢二「やっと笑った。」

昌弘「笑った!!」

竜二「オレのおかげじゃね!?」


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