よにんの少年
『そ…う、へい』


空を見ながら呟く。


「名前ちゃーんっ!」
「名前ちゃんじゃね!?」


聞き覚えのある、
大好きなその声たちにつられて、

顔を上げると。


「こんなトコで何してんの、苗字サン」


金髪の美形少年に、
八重歯のチャラそうなピアスいっぱいの少年、
ピアスいっぱいの軽いヤンキー少年に、
メガネの地味な少年。


『山口くん、昌弘くん、竜二くん、城島くん』


元気だなぁ…。
山口くんが私を見て、顔を離すとつぶやいた。


「…泣いてたのかよ」
「は?え、名前ちゃん泣いてたの?!」
『あははー…』


するといきなり昌弘くんが、
あたしの顔を覗き込んでくる。

え!?

昌弘くん、思ってる以上にイケメンだから!
可愛いから、どきどきするから!

やめて!!!


「ほんとだ、涙の跡あるぜ」
『嘘…!?』


一生懸命顔を隠すと、
昌弘くんが笑ってきた。


「ウソうそ!…てことはまじで泣いてたのかよ!」


昌弘くんがちょっと焦って見せる。


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