なみだの原因 『……宗平っ?』 私の見つめる先には…宗平がいた。 モテモテでかっこよくて、自慢の彼氏。 …その宗平、が… 他の女の子、と、手を…繋いでる…? 「最低ですねササヤンくん」 『…あたしっ』 最近あたし、あさ子ちゃんばっかりで…。 あぁ、だからか。 最近宗平が冷たい気がしたのは。 『…ううん、あたしが悪いの』 「名前はなにも悪くないです!」 『もう、嫌われちゃったもん…』 あたしを止めるあさ子ちゃんの言葉も無視して。 「大丈夫ですって…ちょ、名前!」 逃げるように私が走っていくと、 あさ子ちゃんが焦っていた。 「苗字さん…?」 横を通る見覚えのある顔。 そしてそのあと顔に当たった雨のような 冷たい雫と 自分の手を交互に見ながら、宗平は焦っている夏目さんを 見つめていた。 『…はぁっ、はぁっ』 私が来た場所は、 海明学院高等部の前。 『……っ』 私は必死に居るはずの彼らを探す。 [ top ] |