お望みならば恋人に
∴まみ様 キリリク14100





『伊代、一緒に帰らない?』

「いいわよ」

『いぇーい』


伊代は可愛い顔をしていると思う。
…黙ってれば。


「でもほんとなまえは音和っぽくない!」

『なにそれ地味に傷つく!!』

「でも美人なのよね…もちろん私の方が可愛いけど」

『性格は私の方が美人だと思うよ』


この自意識過剰め!と毒を吐いても伊代は気にしない。
つまらないので、そういえば、と話を変えることにした。


『今度パーティーがあるよね』

「ええ。そういえばなまえと同じ会場は初めてね」

『あーそういえば』


やった今回一緒だね!とテンション高めに話していると、伊代がピタリ、と停止した。


「メビウス様…!!」

『へ?誰それ??』

「やっぱり素敵…!」

『あ、安藤さん…優山さんのことか』


目の前を見ると、安藤さんと優山さんがいた。
優山さんがあたふたしているのを、安藤さんがニヤニヤと愉しげに見つめている。

安藤さん眠そうな目がタイプなんだけど性格が残念だよね。


『安藤さん、性格悪いですよねー』

「そんなこと無いと思いますがねえ」

『いや、絶対性格悪いです!』

「なまえお嬢さんは相変わらず毒舌で」


いや絶対悪い、悪くない、の押し問答をしていると、その間に優山さんと伊代が消えていた。

…なんで!?
というか私安藤さんのこと好きなんだけど、二人にする!?


『ちょ、優山さんと伊代は!?』

「多分優山さんが逃げていったんでしょうなあ…なんたって女性免疫がない方ですから」

『あ、伊代が追いかけたパターンですか』


察してしまった。
伊代はまたメイリア様かなんか言って追いかけてるんだろう。


『イケメンなのに女性苦手なんですよね?』

「私があの顔だったら利用しますけどねえ…あ、なまえお嬢さんも美人ですよね、どうです?優山さんは」

『優山さんより安藤さんの方が好きですけど』


恋愛的な意味で。
とは言わず、普通に言うと沈黙が流れてしまった。

なんだこれ気まずい!!!
言わない方がよかったか…あああああ…!


『…あのそれは、れんあ…』

「そうですか、私はなまえお嬢さんのこと好きですよ」


ちゅ。


『………!?!?!?』

「どうかしました?」


目の前にはニヤニヤ笑う安藤さん、いつも通り。
うん、多分気のせいだ。


『いやなんでもないです』

「キスだけで真っ赤なんて意外と純粋ですなあ…」

『ば、馬鹿じゃないですか!?恋人でもないのに!?』



お望みならば恋人に
(順序違います!)
(いいじゃないですか、純粋な反応を見てみたかったんですよ)






あとがき
なんかもう、すみません…
途中リク内容のデータが消えちゃって…
安藤さん、甘々…だった気がするんですが
間違っていたらすみません;;;



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