ギャルゲーみたいな
『えっと、季節限定抹茶チョコと苺ソフトで!』

「あ、はい…え、季節限定抹茶チョコと苺ですよね…?」

『はいそうです!』


美味しいと話題のカフェでソフトクリームを
頼むと、店員さんは引き気味。
寂しくヤケ食いかと思われてるかもだけど。

流石クリスマス、カップルムードに溢れている。
松楊高等学校の生徒、みょうじなまえです!


『うはー、美味しいなー…ってあれ?』

「なまえー!」

『え、夏目さんにササヤンくん?』

「…みょうじさんそんなに食べる気?」

『あったりまえー!』

「「……」」

『っと、2人は買い物なんじゃないの?』

「あああ!限定セールですよササヤンくん!」

「え、ちょ…じゃーねみょうじさん!」


夏目さんとササヤンくんが去って行ったところで!
ソフトクリームを食べながら周りを見渡す。

って、あ。


『優山さんじゃないですか』

「なまえちゃん!今日はいつもと違うね!」

『さすが優山さん!季節限定ですよ!!…あれ?』


ん?と不思議そうに聞く優山さん。
だるそうな後ろの彼は誰でしょうか。
まあ私も夏目さんほどじゃないけど異性は苦手。


『…誰、でしょうか』

「ああ、申し遅れまして、安藤です。まあほとんど
 優山さんの運転手みたいなモンですけどね」

『私はみょうじなまえです。松楊の生徒です』

「優山さん、結構可愛いじゃないすか」

「あ、安藤さんそういうこと言わないで下さい!!」


なんか揉めてる。
…真面目そうには見えないですよ安藤さん。
ちょっとかっこいいとか思ってないです。

優山さんのチョコクッキーも美味しそう…。
優山さんの手を握ってスプーンの上のアイスをぱくり。
そして舌でぺろり。


『これも美味しいですねー』

「!?え、えええ、なまえちゃん今…!?」

『間接キスごときで大げさですねー、優山さんピュア!』

「間接キスごときって…、だって…」

「なかなかやりますねえ」

「ちょ、ちょっとトイレ行ってきます」


優山さんが真っ赤になって逃げた。
トイレにまでアイス持ってくか普通…。


『…安藤さん、ですよね?』

「ええ、そうです」

『食べないんですか?』

「あー、甘いものがあまり好きじゃないので」


へー、と返事を返した後に、抹茶アイスを見る。

これならあんまり甘くないんじゃないかな。
スプーンにすくって安藤さんに渡す。


『はい、どうぞ』

「…えーっと、食べろと?」

『そうです』

「参りましたなあ…」


ネクタイをゆるめて仕方なく食べる安藤さん。
ちょっと困ったような顔。

そこで優山さんが帰ってきた。


「遅くなってごめんね…ってええ!?」

『なんですか?』

「ふ、二人そういう関係だったの!?」

『ええ』


なんだかからかいたくなってそういうと、
安藤さんに呆れた顔された。

そして。
安藤さんと、唇が重なった。


『!?』

「ってことで優山様、すいませんなあ」

「み、みっちゃんの所行ってきます」

『…あ、あの、安藤さん』

「なんでしょう?」


そのあとまたネクタイをゆるめて、
安藤さんはにやにやした。


『…付き合ってみましょうか』

「ええ…ギャルゲーみたいな展開ですな」


ギャルゲーみたいな
(ホワイトクリスマスなら最高でしたが)
(ベタですね…)
((あれ、優山さんは))




あとがき
雪玉さま、いろいろすみません。
期限すぎてますね…。
安藤さんの口調とか一人称とかわからん。


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