君の笑顔がなによりも好きだった
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『…雨、だ』


今日はあっちではきっと秋祭り。
日は照ってるくせに、雨が降ってて。
去年はジェームズと行ったっけ、とぼんやり考える。

「その服、似合ってるよ!」

『ありがとう!マグルの文化もいいでしょ?』

「ああ、すっごくステキだね」


日本に姿くらましで来ていた私たち。
シリウスはリリーから隠すのに協力してくれた。


「日本の文化はナマエみたいに美しいんだね」

『ロンドンも日本人の憧れだよ』


それから一週間後、別れ話を切り出された。


「…別れよう」

『なんで…?秋祭りにも行ったのに!』

「最後くらいは、楽しみたかったんだ」

『…リリーが、好きなんでしょ?でもなんでッ、』

「彼女は闇払いになる僕を応援してくれるし、」


‘ナマエといるよりも楽しいんだ。’
花びらが舞うように君は笑った。

私が現実的過ぎたのは直すから。
でも、その時それが出てこなかった。

私は、ほんとに馬鹿だ。
今、目の前で楽しそうに居る2人を見ている。
私の気持ちを察したシリウスが心配してくれた。


「ナマエ、大丈夫か?」

『うん、大丈夫!』

「ジェームズ、ここを教えてくれない?」

「ああ、ここはこうだよ」


私と居た、あの時よりも全然楽しそうで。
2人で羊皮紙を広げて笑ってる。

本当に、お似合いだと思う。
けど、私の真ん中には彼のカケラがいて。
失ってから気付く、なんて笑える。


『…ねえ、シリウス』

「ん?なんだ?」

『なんで私はこんなに馬鹿なんだろ』

「お前は天才だろーが」


そう笑うシリウスにつられて笑う。
シリウスを好きになりたかった。

でも、私は馬鹿だから。


ふとした瞬間に
(いろんな君を思い出す)

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