あいしてる
「名前も素直じゃないな」

『違うよめだかっち、冥利がモテすぎてんの』

「うむ、いつも女と居るが」

『苗字1年って言わないのは嬉しいけど』


生徒会の仕事を手伝いながら廊下で話す。
私は飛び級したので、比較的冥加と歳が近い。


『善吉くんどう思います?』

「…名前先輩気づいてたんですか」

「あひゃひゃ☆さすがいzy『普通』

「異常だと思うけどなー☆」

『あの人たちといると疲れるよ』


笑って仕事を終え、委員会室へ…
と思ったら冥加から電話でした。


『0233502335 2325(もしもし、何)』

「33 2821828222372173?(ああ、弟とはどうだ?)」

『221811(普通)』


ぶちっ、と電話を切った。
数字言語口が疲れる…。

そしてガラガラ、と教室のドアを開ける。


『失礼します』

「おー、やっと来たか名前」

『どーも』


呼子ちゃんの膝に乗ってる子供。
これが私の彼氏です。


『ああ、針金ちゃん』

「何ですか?」

『めだかっちが呼んでたよ』

「え!?黒神さんがですか!?はぁ…」

『早くしないと袖ちゃんに会うよ』

「…委員長、皆さん、失礼しました!」

『あーあ、放送室は反対方向なのに』


ため息をつくと、冥利が聞いてきた。


「で?何の用だ?」

『伝言だけですよ、失礼しました』

「ケケケ、嫉妬か?」

『断じて違う。っていうか呼子さんにも』

「苗字委員、どうしたのでしょう」

『善吉くんが…忘れ物だって』

「…そうですか、ありがとうと伝えておいて下さい」


私が呼子ちゃんに渡したのは、リボン。
それは私が呼子ちゃんにプレゼントしたもの。
…といってもほとんど使ってないけど。


『じゃ、失礼しました』

「おい!ちょっと待てよ、怒ってんのか?」

『怒ってないから。』

「ケケケ!素直じゃねーな」

『…もう出るよ』


するといつも通りの笑いで冥利は笑って、
一言言った。


あいしてる、
(そんなの嘘)
(ほんとに素直じゃねぇのな)



(13.1111)

[ 4/4 ]

 しおり →