狂わせ狂う、
『冥利、愛してるよ』

「ああ、知ってるぜ?」

『私はいつもこうなんだ、好きになると
 おかしいほどに好きになってしまってさ』

「ケケケ、今もだろ」

『大好きだったハムスターを、殺してしまったんだ』


ここは、廊下。

異常小学生2人が廊下で話しているとなれば、
授業中であろうとも皆出てきて。


「苗字2年生、カッターなど物騒だぞ」

「めだかちゃん、やめと…」

『生徒会長さん』

「む?」

『目安箱、見ていただけましたか?』

「見たぞ。ああ、敬語は使わなくてもよい。
 『廊下がざわざわしていても
 気にしないで頂ければ嬉しいです。』」


読んでくれたんだ嬉しいな、と言いながら、
カッターの刃を触る。


『なら気にしないでほしかったな。
 ね、半袖ちゃん

「…あひゃひゃ、ばれちゃった?
 でもカッター持ってる人が居たら気にするよ☆」

『ああ、じゃあ持つんじゃなくて、刺すね』


笑いながらふざけて半袖ちゃんの顔ギリギリに
近づけると、半袖ちゃんが青ざめた。


『ん?どうしたの?』

「名前が言うと嘘に聞こえないからさ☆」

『ふーん…』


そう呟きくるり、と冥利に向き直る。
そして冥利に一歩近づくと、冥利は笑った。


「じゃあ、オレを殺してみろ」

『え、いいの?』

「ああ、勿論いいぜ」

『…分かった』

「ただ、名前は多分後悔するだろうけどな」

『多分なんかじゃない、99%、だよ』


でも、手元にあるカッターの‘必要性’を考えれば、
それしかないわけで、そうなってしまう。

私が手元にあるカッターを前に突き出す。
振りかざすなんて疲れるだけ、だから。
でも。
ギリギリのところでカッターは止まった。

まあ正確に言えば冥利の横腹からは少しだけ
血が出ていて、服も小さく破れている、けれど。


『何故』

「目の前で殺人が起きようとしていれば止める。
 私がそうしたかったからだ」

『いつも通り、めだかちゃんは馬鹿だね』

「なんでめだかちゃんが馬鹿なんだ?」

『人吉くん、分からないの?
 ね、半袖ちゃん

「あひゃひゃ、フツーあたしに振る?ま、いいけど☆
 お嬢さまがしたかったんじゃなくてー」

『「名前/私がしたくなかったから」』


半袖ちゃんが笑いながら、私は無表情に。
なんとも合わない2人が声をそろえた。

私は冥利の手当てをする。


「愛してるぜ?名前」

『冥利も馬鹿だ、本当に』


わせう、
(そんな冥利は番狂わせだね)
(名前も番狂わせだよ、かなりな)


あとがき
ヤンデレ主人公ちゃんを書きたかった。
中ッ途半端に病んでます。
エピソードは狂いまくってんのに←


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