08 『でも好きではないんだよね』 「でもって?」 『全部タイプだけど届かない人で、恋愛感情は無いみたいな』 ちなみにササヤンくんもその部類ね、と言うと、 ま、がんばるから、と意味ありげに言われた。 「でもタイプ……か」 『ん〜、もー行っていい?』 「……うん、オレ後でいくから」 は〜い!と名前が残した笑顔が、 ササヤンを虜にしたのを名前本人は知らない。 「あ!あだ名戻って来ましたよ〜!」 夏目さんの一言で、私の方をみんなが見る。 「名前ちゃん!今のところオレ勝ちね!」 「いや、オレ!」 「マーボだろ」 3バカ君の話によると、 トミオ君とジョージ君が負け。 マーボ君が勝ち、らしい。 「じゃ、名前ちゃんの番ね!」 『ハンデありでいい?』 するとマーボ君はわざとらしく考え込みながら、 明るく「いいよ!」と言ってくれた。 [ top ] |