蜜を求める無数のハチと、たった一匹の女王様。
『おはよう』

「おはよう……ミョウジは早起きよね」


ルームメイトのパーキンソンと挨拶を交わす。

私は顔は美人な方だと分かっているし、スリザリンだから
他の寮の女子には嫌われている、と思う。

パーキンソンは‘純血’ミョウジ家には逆らわない。
家系での友達だから、微妙な関係ではあるんだけど。


「ミョウジは良いわよね!モテるもの」

『そんなことないわ。パーキンソンの方が』


あー、始まった。
女子の褒め合い大会。

適当にあしらって談話室に向かうと、仲のいい先輩、
ベラとシシーが居た。


『おはよう、ベラ、シシー』

「おはよう、今朝も早いわねナマエ」

「おはよう。朝から男がお呼びだよ、誰だい?」


ベラが指す方を見ると、名前も知らない人がいた。


『んー、昨日寝た人じゃないかしら』

「ナマエも男遊びには気をつけなさいね?」

『あら、一週間以上はお付き合いするようにしてるわ』


そう言ってその人の方へ行く。
もう8日くらい付き合った気がする。

彼は困ったような顔をしていて、
きっと私が言いたいことを理解している。


『ごめんなさい……別れよう』

「……うん」


彼があっさりな人で良かった、と思いながら時間を見る。
もう食事の時間。

早足に食事に向かうと、グリフィンドールの彼らがいた。
悪戯仕掛人、と名乗る彼ら。


「お、スリザリンのミョウジじゃねーか」

「スニベリーもいないし、いい暇つぶしになるかもね」

『何か用?悪戯は食事中は控えた方がいいわよ』


すると、私の体がスッ、と浮いた。
今流行の‘レビコーパス’だと思う。


『はぁ……フィニート!終われ!

「流石だね、スリザリンのミョウジ」

「男とのいろんな噂聞くけど?」

『ブラック、あなたにだけは言われたくないわ』


少しブラックがピクリ、と動揺したけど、
すぐに元に戻って余裕そうな口ぶりで呪文を唱えた。


オブスクーロ!目隠し!

『外せば済むわ。オーキデウス!オパグノ、襲え!

「危ないなあ、プロテゴ


私が歯付きの花を出して襲わせると、少しポッターは噛まれたよう。
私が花を消すと、満足そうな顔で見てきた。


『食事中のマナーくらいは守った方がいいと思うわよ』

「ポッター、悪戯はやめなさいと何度言ったらわかるの?
 迷惑をかけたみたいでごめんなさい、ミョウジ」

『別にエバンズは悪くないわ。ただあの人たちの
 スリザリン嫌いはどうにかしてほしいけど』


そう言ってスリザリンのテーブルに向かうと、
ブラックのファンの女の子たちに見られた。

ブラックは一夜で女の子を捨てるという噂がある。
主にスリザリンにファンが多い。


を求める無数のハチと、たった一匹の女王様。
((無数の男は女を求めて、))
(女王様は蜜を求める)
(((俺/私達はなんだか似ている)))


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