譜面通りのつまらない演奏
『校長先生、この学校ピアノとか無いんですか?』

「おぉ……あるぞい。実はのう……」


少し埃っぽく、空き部屋にしか見えないけど、奥に行くと手入れされた楽器があった。


「此処じゃ!!」

『う…わぁ……』

「一曲演奏してみたらどうじゃ?」

『は、はい』


一曲、言われてたように弾くと、なんか響いてるんですけど。


「微かにじゃが、学校に流れるようにしてみたぞい」

『……戻してください。』


− − − − −


暇ならちょくちょく弾きに来るようになった此処。


「いつも君はここで弾いてるね」

『え?……ジェームズポッター…?』

「ああ、シリウスならフィルチに捕まってるよ!」

『……いや、でもなんでここに?』

「逃げ場としてよく来てたんだけど、最近君がよく居たんだ。」

『なんかスイマセン』


そして、よくジェームズと会うようになった。
リリーとは親友だし、よく知ってたけど。(愚痴聞いてます)


「君はいつも授業で完璧に答えるね」

『全然だよ…今回なんて単語を少し間違えたんだよ…』

「それぐらい大丈夫だよ」

『リリーに熱心らしいね』

「嫉妬かい?」


この人は頭ダイジョウブ……?


『違うに決まってる。ていうかリリーはモテるよ?』

「敵は多くても僕はエバンズとデートするさ☆」

『その自信はどこから……リリー…哀れ…』


とか言いながら少し経って。
私、ジェームズを好きになってしまいました。

ジェームズって無駄に鋭いよね。


「ナマエ、僕を好きだろう?」

『そんなわけないよ。リリーが自分を好きだと勘違いするだけあるね…』

「ひどいなあ」

『ま、リリーもいつかはジェームズを好きになるよ、いつかは。』


次の日、図書室に行くとセブが居た。


『あ、セブ!』

「ああ、ナマエ。なんだ、勉強か?」

『うん……薬草学のここってどうするの?』

「――で――だ」

『ありがとう』


あ、


『セブ、リリーが好きなんだね』

「そっ、そんなわけ……」

『あるよー、リリーってばモテるんだもん』

「き、決めつけるな!」

『だって幼なじみでしょ?』

「僕が誰を好きだろうが関係ないだろう?」

『……あるよ。だって、リリーの親友だもん』


それもだけど、もっと大きな理由がある。

私はジェームズが好きで、君はリリーが好き。
ジェームズとリリーは両想いで。
私たちは、似ている。


そしてある日、彼は私に言った。


「僕を好きなのは確実さ。リリーに聞いたよ!」

『それは去年の話だよ』

「ナマエは一途だそうだ!」

『好きだったとしても、好きじゃいけないの』

「どうして?」

『リリーも貴方が好きだから』


これでもういい。
君は喜んで、二人は結ばれる。

いつからリリーって、なんて聞けなくて。


「そんなの知ってるよ。でも、スキでいちゃいけないなんておかしい」

『私はね、リリーと気まずくなるなんていやだもん』


譜面通りのつまらない演奏
(いつも曲にアレンジをしないね)
((曲=弾き手らしいよ))
(つまり君は自分に自信がない)






あとがき

ネタ帳ノート見てたらあったやつ。
意外と気に入ってます。←
でも微切なのか微妙な終わりかた&低クオって


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