セブ誕2017!
∴恋愛要素なし



あ!セブだ!今日はセブの誕生日だから祝わなきゃ!


『セッブセブーーーー!!』

「うるさい!!」


セブセブの後ろ姿に向かって叫べば、怒られてしまった。
でも、いいもんねー!セブがこっち向いただけでも嬉しいもん!にっこにこでセブのとなりへ行くと、ため息をつかれてしまった。


「なんでお前はいっつもそうやって…」

『セブも叫んでたじゃん。うるさーい!って。めっちゃ見られてたよ』

「……」


私は口をとがらせて反論する。すると、セブは完全無視で早歩きしだした。
え、まってひどくない?無視はひどいよね?よくないと思うな??
私も早歩きでセブのとなりを歩く。早歩きっていうか…半分走ってるんだけど。


『ねえセブー、どこ行くの?』

「……」

『あ!分かった、中庭でしょ!』

「……」

『エバンズ見にいくの?』


"エバンズ"という言葉を発した瞬間、驚くほどのスピードでセブはこちらを向いて、歩みを停止した。
首もげそうだな……てゆーかセブこんな動きできたんだ……と内心驚いていると、セブがすごい形相で私を見てくる。


「ナマエ、僕があんな奴と仲良くしたいわけ…」

『べつに私、セブがエバンズと仲良くしたいなんて一言も言ってないよ?』

「……」


ぴきーん。固まってしまったセブに、ねえ行こうよーエバンズのとこー、と何度も言っていると、後ろから聞きおぼえのある声がした。あ、これやばいやつ。


「…だろ、そう思わないかいシリウス?」

「ああ、思うおも…、ってアレ、スニベリーじゃないか?」

「ワアオ、横にいるのもたぶんミョウジだろう?確定だね」


たぶんってなにさたぶんって!?!ていうか私が横にいたら確定なの!?意味不明なんですけど!
助けを求めたくても、横で固まったままのセブにはなにもしてもらえないだろう。
ゆっくーり、ゆっくり、おそるおそる後ろを見れば、やはり悪戯仕掛人だった。後ろ向いたせいで目合ったんだけど。無理!!!!


「やあミョウジ!今日もスニベリーと仲良しだね」

「なんだスニベリー?なにも言えないのか?」

『………ド、ドウモポッター…』

「あはは、そんなに緊張しなくてもいいのに。僕はレディには基本なにもしないよ。紳士だからね」


満面の笑みで言うポッター。怪しい。怪しすぎる。ルーピン!!!!助けて!!!!!!!ルーピンって優等生だったよね確か??!?セブとも喋ってるところ(一回だけだけど)見たことあるよ!!!!!!!
必死にルーピンを凝視していると、ルーピンが言いづらそうに口を開いた。


「アー、ミョウジ。隣の彼はなんで固まってるの?」
『…えっっと………』


やばいやばいやばい私嘘がつけないんだよ!!!!!でもエバンズのことって言ったら絶対セブに殺される嫌われるどうしよう!!!!!!
そんな追い詰められた状況の中、私は大事な大事ぃ〜なことを思い出した。


『まっっっっっっってセブの誕生日まだ祝ってないじゃん!!!!!!!!!!!!』

突然叫んだ私に、仕掛人は驚いているようす。いや、驚くヒマあったら祝って!!!


『セーーーブーーー!!!起きて!!!!いや寝てないけど起きて!!!!!ねえ!!!!!今日は!!!!!あなたの!!!!!!バースデー!!!!!!!!』

「うるさい!!!!」


あ、戻った。


『お誕生日おめでとうセブ!!!!!ねえセブ!!!!!セブ!!!!!』

「分かったから黙ってく…ってポッター!?ブラック!?!?」

「アー……スニベリー、誕生日おめでとう…??」

「スネイプ、おめでとう」

「お、おめでとう…?」


焦った、ブラック以外の仕掛人が、次々とセブにおめでとうを言っていく。なにこの光景シュールすぎる。
言っていないブラックも困惑している。


「えっ!?オイ、みんな!?お、俺は言わねえからな!?」

「ど、どうしたんだポッター……?」


セブも困惑している。
でもまあ、いい誕生日になったでしょ!!!あとはエバンズに祝ってもらうだけだね!
私がそう言って笑えば、セブは真っ赤になって言った。



ありがとう
(せ、セブのありがとう!?!)
(う、うるさいな!言ったらダメか!?)
(いや…ダメじゃないけど……!)




(170109)

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