こんな、世間では「セフレ」と呼ばれるような関係
「ブラックってかっこいいわよね」

『名家だから寮関係なくモテるもんね』

「あら、そういうミョウジはどうなの?」

『そんなの雲の上の存在に決まってるでしょ』


シリウス、ブラック。
名家のブラック家出身で、超美形。
グリフィンドールでありながら、スリザリンにもモテる。

そして、女の子をとっかえひっかえするという噂。
一夜だけでいいから、なんていう子だってたくさんいる。


『まあ、だからこそこんな話できるんだけど』

「そうよね」


そう話していると、話題の人物が。


「あっ、悪戯仕掛人よ!ブラックもいるかも…」

『ポッターの隣にいるわ』

「これはチャンスよ!」


隣を通るブラックに、友人は近づいて話しかけた。


「ねえブラック、教科書忘れちゃったんだけど…」

「はっ、スリザリンの奴に借りろよ」

「シリウス、まーた絡まれてるのかい?」

『…がんばるのよ』


ポッターたちも登場。
逃げようとすると腕をつかまれた。


「ちょっとナマエ!なんで逃げるのよ!」

『ほら、気を利かせてあげたんだから』


にっこり笑ってその場を去る。
…あー気まずい。

そして最後の授業が終わった。


「ナマエ、今日なんで逃げたのよ…ってどこ行くの?」

『ああ、ちょっと用事』

「ふーん…」


怪しむ視線から逃げるように、スリザリンの寮から抜け出していく。

グリフィンドールの寮前まで着くが、誰もいない。


「おいシリウス、どこ行くんだい?」

「別にいいだろ」

「良くないよ…動物もどきの研究はしないのかい?」

「そうだよ…ぼ、僕もついていく」

「チッ…」


…と思ったら3人が出てきた。
悪戯仕掛人、の1人が足りない。

リーマス、ルーピン。


『…ブラック』

「ナマエ!?」

『ちょっと、下の名前とかやめてくれる?』


いかにもスリザリンで近づいていく。
まあスリザリンの女の子の本性というか…、先生以外の前ではこんなものだ。


「…なんでいるんだよ」

「シリウス、彼女とどういう関係なんだい?」

『…私さすがに寮に入るのは無理かな』

「あー…大丈夫だろ」


まあ仕方ない。
彼は自由人だし。


「てかなんで今日逃げたんだよ」

『騒がれて困るのは私だし』

「お前のそういうところスリザリンだよな」

『グリフィンドールだったらおかしいでしょ』

「まあ」


じゃ、行くか、と合言葉を発したブラックについていく。
じっと見てくるポッターがうっとおしい。


「君、シリウスの顔で寄ってきたんなら…」

『私、そこらへんの子よりはましよ』


笑って歩くと、ポッターも黙った。

夜遅いからか、グリフィンドール生は
2、3人ほどしかいない。

部屋に入れられる。


「……」


黙って私を押し倒す彼に、私は笑って言った。


こんな、世間では「セフレ」と呼ばれるような関係
(今夜で終わりにしましょう)
(なんでだよ…!)
(ごめんねブラック、我儘で)




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