[優]


ロケでやってきた遊園地。
撮影後も少し遊べる事になり、各々乗りたい乗り物に散る。
もちろん好きな人と乗る定番の乗り物は…


「ねる!観覧車乗ろう!」

『いいよ。他に乗りたい人いるー?』


そう言ってねるは後ろを振り向き、他に乗りたいメンバーがいないか確認する。
優しいところは好きだけど、こういう時に発揮しなくていいのにとねるに見えないように、首を振ってみんなに無言で訴える。


『誰もいないの?じゃあ、2人で行こっかー。』


そう言って歩き始めたねる。
振り向いてメンバーの方を向いて手を合わせて頭を下げると、みんな頑張れと応援してくれていた。


「観覧車久しぶりに乗る。ねるは?」

『この前、ドラマの撮影で乗ったからそんな久しぶりではないかな?』

「あー、あの七夕のやつ!ねるが彼女だったら最高だよねー。」

『ドラマの子が好き?ねるが好き?』

「んー、どっちだろ…ドラマもあれほぼねるだもんなあ。遠慮しちゃうとことか特に!素直になればいいのにさー!」

『ふふっ ちゃんと見てくれとる。』

「観覧車揺らしたら怒るよ?」


そう言うとそういえばそんなシーンもあったねと思い出して笑っているねる。
いつのまにか結構上がっていたみたいで、下を見るとピカピカと明るい遊園地が見渡せる。


『もうすぐ頂上だー。』

「ほんとだ。ちゅーする?」

『しなーい。』

「えー!頂上でするの定番じゃん!」


さりげなくねるの横に移動したのに、笑って断られた。
あと少しで頂上…
そう思った時、ねるが突然こっちを向いて顔を近づけてきた。


「え?」

『しないの?』

「する!」


あと少しでねると唇が重なると思い目をつぶると、一瞬だけど柔らかい感触。
目を開けると照れ臭そうにへへっと笑っているねる。


『優、ねるの事好きでしょー?』

「うん。」

『大好きー?』

「大好き!」

『んー、いまいち伝わってこないなあ。そんな気持ちの人とは付き合えないなあ…』

「えっ!?もうほんとにほんとに大好きだよ!ねる以外なにもいらない!」


そう言うと、ねるはすごく笑ってて…
膝の上に差し出された手を握ると、しっかりギュッと握り返される。


『浮気したら許さんよー?』

「絶対しないよ。」

『幸せにしてよー?』

「もちろん。」


観覧車を降りてみんなと合流すると、何も言ってないのになぜかみんなニヤニヤしている。
繋いでた手も離してるのに、まるで私達が付き合ったのをわかっているかのよう。


佐藤『やっとくっついたー?』

尾関『じれったかったよね。』

「待って、みんな知ってたの?」

虹花『ちゃんと、言った?付き合ってくださいって。』

「言って…ない。」

理佐『ありえないんだけど。今、言いなよ。』

「いま!?ここで?絶対いや!」

茜『あー!ねるが悲しんでるよー?』

齋藤『そんな事言うなら、私がねるもらっちゃうよ?』

「それはダメ!離れろ!ねるは私の!」


後ろからねるに抱きついていたふーちゃんを引き剥がし、代わりに私が後ろから抱きつく。
するとだにがすかさずカメラをこっちに向けて、パシャパシャと写真を撮り始めたのをキッカケにみんなに写真を撮られた。
ねるの首元に顔をうずめ、みんなに聞こえない声でそっと囁く。


「付き合ってくれますか?」


笑顔で頷いたねるをみて、何言ったんだと冷やかされたけど無視して歩き始めた。
離れていた手をもう1度繋いで。








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