[優]



「理佐ー!」


そう言っていつも通りに理佐の膝の上に向かい合って首に手を回して座る。



『重い。』


「今日も可愛いね。好き。」


『はいはい、ありがと。』



そう言って私の背中の後ろで器用に携帯をいじりはじめる理佐。
頭を撫でるとチラッとこっちを一瞬みて目線はすぐにまた携帯。
今度はほっぺを両手で摘んで軽く引っ張る。



『ひゃめて。おろひゅよ?』


「やだー!」


『優、目つぶって?』


「ん?」



もしかしてこれは?と思い、素直に目を閉じてドキドキして待ってると、デコに鈍い痛みと同時に理佐の笑い声。
そしてそれを見て笑ってるふーちゃんとねるの笑い声も聞こえる。



ねる『優は理佐の忠犬だねぇ?』


冬優花『優単純だから、絶対今ドキドキしてたよ!』




人の心を読むなよと思いつつデコに手を当ててると、痛かった?って心配そうに覗き込んでくる理佐に全然平気と伝えて、膝の上から降りる。
そして向かった先はねるとふーちゃんの元。



「ねえ、さっき理佐ちゅーしようとしてた?」


冬優花『ううん。全く。』


「うそ… 一瞬も?」


ねる『一瞬も一秒もしてない。目つぶった瞬間右手が上がってた。』


「くそぉ…」



悔しがる私を見てまた笑う2人。
そして理佐に呼ばれてすぐに理佐の元へ行くと膝をポンポンとしてる。



『おすわり。』


「え?うん!」




わかりずらい理佐の愛情に気付くのはまだまだ先の事…









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