[優]
今日は久しぶりに高校の部活仲間達との集まり。
みんな就活が終わり落ち着いたからと久しぶりにの飲み会だ。
愛佳『優久しぶりー!元気してた?』
「ちょー元気だよ。愛佳も元気そうで安心したわ。」
愛佳『ねるとはまだ続いてんの?』
「もちろん。愛佳は?理佐と順調?』
愛佳『理佐がツンデレすぎて困ってる。』
「理佐らしいわー!」
理佐は私が紹介したんだけど、人見知りの理佐の心を開くところから苦労してたのを知ってるからこの2人が付き合ったのはなんだか面白い。
愛佳『今日ねるも連れてこればよかったのに。』
「一緒に行くか聞いたら、部活の飲み会にお邪魔はできないって聞かなくてさ。理佐こそ連れてきてみんなに紹介すればよかったじゃん。」
愛佳『くると思う?』
「ううん。ありえない。」
でしょ?って笑ってる愛佳。
楽しい時間が過ぎるのは早いものでもうお開きの時間。
二次会に行く途中に酔った愛佳がねるに電話するって言い出して無理やり電話をさせられた。
「もしもし?ねる?なんか愛佳が話したいらしくて… かわるね?」
愛佳『もしもーし!久しぶりー。』
『愛佳?久しぶりだね。ご機嫌だね?酔ってるでしょ。』
愛佳『ぜんっぜん酔ってないよー!これっぽっちも酔ってなんかないよ!』
『絶対酔ってるじゃん。』
愛佳『今度さ、4人で遊ぼうよ。ダブルデート!』
『いいよ。優と決めといて?』
愛佳『やったー!今から二次会行くんだけど、ねるも…「もしもしねる?優だけど。今から二次会行くから帰り遅くなっちゃうから、先寝てて?」
愛佳から無理やり携帯を取り返しねるに二次会に行く事を伝える。
すると返事がない。
どうしたんだろ…
「ねる?」
『優… 帰ってきて…」
「ん?どうした?」
また黙り込むねる。
いつものねるじゃない。
直感でそう思い、愛佳に二次会行けなくなったと伝えて急いで家に帰ると部屋は真っ暗。
そして電気をつけるとソファーで丸くなって寝ているねる。
「ただいまー。ねるー?」
『優…』
「どうした?大丈夫?なんかあった?」
そう言いながら様子のおかしいねるに触れるとすぐにその異変に気付いた。
「ねる… 熱あるじゃん。」
『ごめんね、せっかくの集まりだったのに…』
「いつから?なんで早く言わないの。」
『朝から… 優、今日の飲み会楽しみにしてたから…』
「はぁ… バカ。」
とりあえず薬を飲ませたねるをベッドに移動させる。
冷えピタを取りに行こうとすると服が引っ張られるのがわかった。
「冷えピタ貼らないと熱下がらないよ?」
『すぐ…』
「すぐ戻ってくるから。ほら、ちゃんと寝てて。」
戻ってきて冷えピタを貼ると顔をしかめるねるがなんだか可愛い。
朝からしんどかったなんて…
普通すぎて全然気づかなかった。
電話してよかった。
愛佳に感謝かも。
ねるの横に寝転び抱きしめ、顔を近づけると唇をさっと手で隠される。
『今、ちゅーしようとしたでしょ。』
「正解。」
『風邪うつるからダメ。』
「えー。」
『えーじゃない。当たり前でしょ。マスクしてきて。』
そう言われてしぶしぶマスクを取りに行き、もう一度ベッドに入るともうねるは規則正しい寝息をたてて寝ているねるをじっと見つめる。
朝から無理してたんだろうな。
バカだよなあ。
結局おあずけになったままのキス。
一回だけならとマスクを外し、無防備になった唇にキスを落として目を閉じた。
そしてねるが風邪ひいてダウンした数日後…
「ごめんねる… またうつるかもしれないから実家帰るわ。」
『大丈夫だよ?この前は看病してくれたから、今度はねるがする。はいこれ。』
そう言って渡されたマスク。
しかも2つ。
二重にしろってことか。
『この前はねるしなかったからねー』
「絶対うつんないと思ってたのになぁ…」
『せっかくちゅーするのやめといたのにね。』
「あ… 」
『もしかして…』
やばいと思って目をそらしたけどねるにはバレたみたいで…
何してんのってあきれられた。
『治るまでダメだよ。またうつっちゃう。』
「はーい…」
今度は治るまでほんとにおあずけをくらって、近くにいるのに触れるのすら我慢するといういろんな意味で辛い日々を過ごした。