[七瀬]



『いらっしゃい。』

「お邪魔しまーす!」

『七瀬が家に来るの久しぶりじゃない?』

「せやな。最後に来たの1年以上前かも。」



最近は本当に忙しくて電話もたまにしかしてなくて寂しかった。
久しぶりに休みをもらったから仕事終わりに優の家にそのままお邪魔して、お泊りをする事になった。



『毎日何かしらで七瀬見てるから、毎日会ってる気になるんだよねえ。でも実際に会うのは半年ぶりぐらい?』

「本物に会えんでもええのや?」

『会いたいよ!毎日会いたいと思ってる!』

「そんな事より聞きたい事あんねんけど…」

『ん?』

「コレ何?」

『やばっ!片付けるの忘れてた…』

「いや、ええねんで?可愛い妹グループやもん。理佐ちゃん推しなんやな?」



部屋に入って見つけたのは、壁に飾られていたななのポスターの横にある理佐ちゃんのポスター。
焦った様子を浮かべながらななの目の前に正座をして座ってる優。
理佐ちゃんとは何度か一緒に仕事させてもらった事あるけど、確かに可愛い。
ある日連絡先を交換した時にたまたま待ち受けが見えたみたいで、この方知ってますって言われたんだよね。


『でも!七瀬が1番だよ!ほんとに!』

「うーん…」

『ほんと!ほんと!七瀬より好きになる人絶対いない!』



そんな真っ直ぐ泣きそうな目で見られたら許すしかないやん…
両手を広げて待ってるとすごい笑顔で飛び込んで来る優をぎゅっと抱きしめる。


「あんな、なな不安やねん。」

『何が?』

「欅ちゃんの握手会に行ってるのも知ってんで?理佐ちゃんのとこ行ってるやろ?」

『何で知ってんの…』

「一緒に撮影した時に言われてん。七瀬さんの待ち受けの方よく来てくれますよって。」

『だから前行ったとき理佐、ずっとニヤニヤしてたんだ。』



背中に回してた手で優の背中をつねると痛かったのか肩を押されて離される。


『え?何?』

「理佐ちゃん。」

『ん?理佐が何?』

「呼び捨てはななだけにしてや。」

『えー!何?後輩にやきもちー?かーわーいーいー!』

「優はななのだけやねん。誰にも渡さへん。」

『何それ可愛すぎ。』


そう言うと今度は優から抱きしめてきて全然離してくれない。
でも全然嫌じゃくて、すっごい落ち着く。


『七瀬ー。』

「んー?」

『いつも忙しいのに時間作ってくれてありがとう。』

「ななが会いたいから来てるだけ。」

『大好き。』

「ふふっ ななも。」



小さい事でやきもち妬いてごめん。
でもそれだけ好きって事が伝わって欲しい。
ずっと優の1番であれるように頑張るからよそ見せんといてや?












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