[優]



ベッドに入り携帯をいじる。
日付も変わりそろそろ寝ようと思い携帯を置こうと思った時、美彩から一通のLINE。
かと思いきや続けざまにくるLINE。


"やばい"
"酔っ払いおじさん"
"トイレ駆け込んだ"


は!?
急いでベッドから出て上着を着て車まで走り駅まで急ぐ。
どこで飲むか聞いといてよかった。


'大丈夫?'
'おじさん?'
'今から行くから!'
'トイレから出ないで'


返事はない。
1人なのか、友達といるのかわからないけどとりあえずやばそう。
駅に着いて急いで電話するとすぐに電話に出た。


『もしもーし!』

「もしもし?大丈夫?今どこ?いつものとこにいる。」

『ダッシュでいくー!』



なんかテンション高いな。
電話を切ってすぐに車を覗き込む可愛い女の子がニコニコと笑ってる。
助手席に乗り込んでくるとLINE意味がわかった。


『優ー!飲みすぎたー!酔っ払いおじさんでーす!迎えに来てくれてありがとー!』

「おじさんって… 美彩の事かよ。てっきり襲われてるかと思ったじゃん。バカ。」

『襲われてないなーい!でも友達に置いてかれて一人ぼっちだったー!』

「ほら、シートベルトして。家まで送るから。」



車を走らせるとすぐに寝た美彩。
どんだけ飲んだんだよ。
強いからってバカだなあ。
1時間ほどかけて美彩の家に着く。
家に着いても寝てる美彩。
可愛い寝顔だなあと思い1枚写真を撮るけど全く起きる気配はない。
今ならキスできるなと思いつつグッとこらえる。
こんな無防備で寝るなんて…
なんとも思われてない証拠だよね。
そう思いつつ美彩を起こす。



「美彩。着いたよ。」

『んー。』

「こら、起きろ。」


ペチペチとほっぺを軽く叩くと起きたけどまだ全然寝ぼけてる。
いや、酔ってんのか?


『ん?もう家なの?帰りたくない!まだ優といたいー!』

「寝てたじゃん今。眠いんでしょ?早く家帰ってベッドで寝なよ。」

『優は私に帰ってほしいの?もうバイバイでいいの?』

「もー。うち来てもどうせすぐ寝るでしょ?」

『寝ない!だから連れてって!おーねーがーい!』



そう言われて結局美彩を連れて家に向かう。
家に入ると着ていた服をすぐに脱ぎ、私のスウェットに着替えてベッドに寝転びもう目を閉じている美彩の横にもぐりこみ携帯をいじってると、抱き枕みたいに美彩に抱きつかれる。



『来てくれてありがと。』

「ん。」

『優しいよねほんと。』

「そんな事ないよ?ただ酔っ払ってるだけってわかってたら行ってない。」

『えー?絶対来てくれるくせに!ねえ、みんなにそんなに優しいの?それとも私だけ?』

「んー…」



眠たくなってきて携帯を置き、なんて返事しようか目を閉じて考えてたら、唇に柔らかい感触。
びっくりして目を開けると、すぐに離れた美彩はニヤッと悪い顔をして私の上に跨ってる。


「え、何して…」

『優、私の事好きでしょ?』

「は!?」

『ねえ。好き?嫌い?』

「好き。大好き。」

『やっぱり。』



そう言いながらまた近づいてくる美彩の顔。
もうどうにでもなれと美彩をグッと抱き寄せ、くるっと回転して今度は私が跨り顔を近づけると目を閉じる美彩。
拒まないってことは同じ気持ちって事でいいんだよね?
軽くキスをして離れようとした瞬間、首に手を回され離れられない状態に。



『足りない。』



美彩がそう呟いた瞬間、私の中の何かが外れるのがわかった。
もう一度美彩にキスをする。
今度は触れるだけじゃくて深いキス。
今までの想いをぶつけるようにこの後たくさん愛し合った。
朝起きると何も身にまとわず横で眠る美彩。
そういえば酔ってたからもしかしたら覚えてないかもなあ。
ご飯を作っていると美彩も起きてきて、慣れた手つきで冷蔵庫から水を取り出しゴクゴクと飲んで頭を押さえている。


「二日酔いでしょ。」

『酔ってるのに誰かさんが激しくするからでしょ?』

「覚えてるんだ。まぁ、誘ってきたのはそっちだから。」

『限度があるでしょ限度が。』



腰も痛いしって怒ってる美彩に対して、好きすぎて止まれなかったなんて言ったらまたなんか言われそうだし、後でマッサージをする約束をさせられたけど、それ全部含めて幸せだからまあいっか。









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