恋連鎖 | ナノ



―――ドッヂボールは簡単そうだし大人数だからやってみようかな…。卓球はやれるっちゃやれるけど、完璧って訳でもないからなー…


そんなこんなで球技大会の季節です。



「結ちゃんは何に出る予定?」

自分の席でうーんと悩んでいると妙はひょっこりと顔を出して尋ねてきた。

「妙ちゃんこそ何に出る? まぁ何にせよ、うちのクラス運動神経いい人ばっかりだから優勝できるかもね」

「その代わり勉強はサッパリだけど。
その点では結ちゃんが頼もしくて嬉しいわ」

妙ちゃんはニコッと笑って言う。
そういう風に言われて悪い気はしない。むしろ嬉しい。だからあたしは素直に「ありがとう」と返した。

「で、何にしたの?」
「あ、本題に戻った」

二人でもう一度競技の一覧表を見る。

「あたしは一番楽そうなドッヂボールにしようかって思ってるんだけど…」

「あら私もよ。一緒にやってみちゃおうか」


という事で意気投合。あたしの出場競技はドッヂボールに決定したのだった。



「はい、んじゃぁ自分の出たい競技に名前書いて提出しろよ。人数多くなったら推薦もしくはジャンケンにしたいと思うんだが……
どっちにするかを決めるのを決めたいと思います」


HRが始まり銀八がそう切り出す。

「先生、それじゃあ一生ホームルームが終わりません」

今の意見に対して新八は手を上げて意見した。それに納得した銀八は「それもそうだな」と頷くと、

「じゃあ俺の教師という特権を使ってジャンケンって事にするか」

と断言する。
その意見に今度は生徒たちが反論し始めて、傍観する位置にいる結は思わず苦笑いになった。
銀八もその反響に言葉が詰まると

「じゃあ園江」

「は、はい!?」

突然名前を呼ばれたせいで声が裏返る。

銀八が自分の方に目を向けると
「ジャンケンがいいか推薦がいいか、お前が決めたらコイツら納得するからよろしく」
なんて言い張るものだから、結は教室全体を少し見回して

「え、本当?」

と思わず尋ねる。


「いいんじゃねェの?」

「そうヨ。先生より100億倍マシアル!」

「おい神楽、お前今日居残り掃除な」
「えぇぇぇ!!?」

あたしの後ろの席の総悟は、目が合うと少し頷いてくれるし神楽ちゃんも(100億倍はどうかと思うけれど)マシだって言ってくれたから信じる事にしよう。

「あ、じゃあジャンケンで…」

それだけ言って座る。

銀ちゃんがドヤ顔になってるのがなんとなく目につくけれど、とりあえず本当にクラスのみんなに納得してもらったみたいでブーイングはおさまってしまった。
ぶっちゃけ先生と意見変わってないんだけど…。
「これで良かったの?」
と総悟に聞けば

「おう、大賛成〜」

「……」

ちょっとだけあたしが納得いかなかった。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -