恋連鎖 | ナノ



次の日。
あたしたちは嘘のような昨日の出来事を夢なのではないかと思いながら学校へ来た。


「おはよう総悟」

「おー」


―――あれ、ちょっと目が赤いような…


けれどもそれ以上は突っ込まないようにしておいた。
実際本当の姉弟だったのだから、総悟にとっては本当に嬉しかったり…反面さびしかったと思う。二度目の別れでもあったし……
自分はその気持ちに入ることはできないから、そっとしておいたのだ。


「あ、土方さん」

「トシおはよー」


ぶっきらぼうに「おぅ」と答えるトシ。
彼の目もまた、どこか赤くなっている気がして…昨日とは違う罪悪感に結は包まれた。




「何アルか3人して。いつの間にそんなにつるむようになったんだヨコノヤロー。
結、隠し事は駄目アルよ。さっさと白状するヨロシ!!」




昨日ちょうどお休みだった神楽ちゃんは今日完全復活を果たし、今あたしにくすぐり攻撃をしかけた。


「まっ、あはははははっやっやめてってばぁ―――!!!」


「ミツバさんって人の事だよ神楽」

「ミツバ…って誰アル……うお――――――!!?




同じくうお―――。いつの間にそこに居たの神威!!

「お前なんで…」

総悟も驚いて神威にたずねる。


「ん? まぁたまたまねー。
それにしても実に感動的だったよ。結も相変わらず可愛かったし」

「え…」


アッサリと答えた神威は爽やかな笑顔。しかし一瞬あたしに対する表情がどこか艶やかになって恐ろしく感じる。

「てめェ、何重要なシーン盗み見してんだよ…」

そんな中トシが静かにキレる。

「オルァ!! 結が関係してんのに隠し事してんじゃねーヨ!!
何で私が知らなくてバカ兄貴が知ってんだァァァ!!!」

神楽ちゃんまでもが神威につかみかかりに行った。

おかげで教室は大乱闘。
総悟も先程のトシと同じ意見でキレていたらしく、いつの間にか参加していて…

隣を見ると銀八先生が楽しそうにその光景を見ていて、目が合うとあたしは少し赤くなった。



「ヤレヤレ、ま、たまにはね」





呟いた銀八の声は、騒がしい教室に溶けていった…






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