恋連鎖 | ナノ



球技大会も終わって束の間の平穏でも訪れると思っていたあたしが馬鹿だった。

「ひゃい……うへえ……ふぁい……ずびぃっ」

何て言ってるか分かんねェよ、と突っ込まれてしまったが、これは一応返事なのでなんとか銀ちゃんには伝わってるんだろうなーと思いつつ受話器をガチャリと落とす。
鼻水が止まらない。ぼーっとする。たまにくしゃみが出る。と思ったら咳込んだりする。異様に体が熱い。布団なんかどっかいっちゃえええ。

そう、つまりあたしは風邪をひいてしまったのです。しかも球技大会の次の日にばったりと。

今は朝の7時。なんだか頭が痛くて試しに体温計を測ってみたらなんとまあ39.6度。人間は気付いたら体がそれに順応していくのである。だから、あたしこのまま死んじゃうんじゃないかってくらい、ぐぐーんと熱が上がっていったような気がして、次の瞬間膝をついて倒れてしまった。こんな高熱を出したのは初めてだった。

意を決して力を振り絞り受話器を手にとって、そして先ほどの会話に戻る。


―――どう……しよう。


天井をうっすらと眺めながら今日一日の事を考えた。一人だと何かしてくれる人がいなくて寂しい。
お腹が空いたけれどもお粥を作る気力がない。最早動く体力すらないというのに何を考えているんだか。一人暮らしに慣れたせいなのだろうか。
兎にも角にも腹が減っては戦は出来ぬ。この体を今むしばんでいる菌共と白血球の戦いに活を入れるためにも、食事は欠かせない。

あー…でも、やっぱり体は思うように上がらない。

あたしはまたベッドにドサッと倒れ込み、そのまま深く眠りに着いた。







うぅ…お粥ぅ…お粥………。




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