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冷たいシャワーが降り注ぎ、濡れた服が肌に張り付き不快だ。出したの俺だけど。

思わず臨也に告っちまった。アイツが泣いて、そんな顔させたくねぇって思って、抱きしめた体が想像より細くて、言っちまった。
臨也は俺の手を取りキスをすると、寄りかかってきた。天の邪鬼なコイツなりの甘え方か。

「…寒い」
「おう。悪かった」
男2人が入るには狭いバスタブ。蛇口に手を伸ばしてお湯を出し、臨也を抱え直す。
「で、なんでテメェは煙草臭ぇんだ?」
「シズちゃんから女の匂いしたから」
「意味わかんねぇ。俺から女の匂いしたら、他の男んとこ行くのかよ?」
「そうだよ」
なんで自信満々に答えるんだ、コイツは。
「仕返しのつもりか?」
「ちょっと違う。どちらかっていうと忘れるために」
「俺を?」
「全部。シズちゃんも、あの女も。今までのことも」
俯きながらポツポツと答える臨也は新鮮だ。弱々しくうなだれる肩を抱き、うなじに唇を落とす。

「俺はお前とのことを忘れるなんてあり得ねぇ」
「俺、男だよ…」
「んなの、知ってるよ。関係ねぇだろ」
セックスまでしといて言うことか。
「あるよ。シズちゃんだって女のほうがいいでしょ?」
「あー…考えたこと無かった」
「はぁ?」
「テメェ以外でそういうの、考えたこと無かった」
何故かポカーンとしてる臨也の張り付いた前髪を指で掬い弄ぶ。

「シズちゃんて、馬鹿?知ってたけど」
「うるせぇな。テメェもバカだろ。いいか?覚えとけ。俺はテメェとしか寝ねぇ。テメェにしか、こうなんねぇよ」
臨也の手を俺の股間に持ってく。
「ちょ‥今の流れでいつ勃ったのさ。シズちゃんのツボ分かんない」
勃起してる俺に驚いて、真っ赤になる。そういう所がツボだとは、教えない。

「テメェに付いた臭い、消えるまでヤるかんな。覚悟しとけよ」
「冗談!俺、壊れちゃうよ」
いつもの調子になってアハハと笑う臨也が愛おしくて、もう一度強く抱きしめキスをした。




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