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某CMのアッ●ーニャパロ
静臨+派生臨也
派生臨也と臨也の絡み有ります






昨日、俺は会社の連中と飲みに行った。
花の金曜日と俺の誕生日前夜祭というのが相俟って、俺は相当呑んだらしい。そして泥酔した。
そうじゃなきゃおかしい。ありえない。

―――――臨也が5人もいるなんてことは。



『シズちゃーん!ハッピーバースデー!!!!』

酒で鈍った頭に臨也の声が多重音声で聞こえた。
ダルい体にハイテンションな声は不愉快極まりなくて、近くにあった黒髪を掴む。
「いたいいたいいたいいたい!いたいよぅ・・しずちゃぁん」
舌っ足らずに言われて、思わず髪を離す。
「なに可愛い子ぶってんだ手前」
「え?可愛い子ぶってなんてないにょ?サイケは可愛いんだにょ?」
「あ?」
意味不明なことを抜かした臨也を見ると、いつもの黒ずくめとは真逆の白いコートを着ていた。
「サイケね、みんにゃとしずちゃんのお祝いに来たの!」
俺のベッドに足をぺたんと折って座る姿は、いつもの臨也から想像もつかない。
「みんな?」
「うん!みんにゃ!」
聞き返したらサイケとやらは元気に答えて振り返った。釣られて視線を移すと、そこにはさらに臨也が4人いた。いろんな服装で。

「こんなに呑んだのいつ以来だよ・・・情けねぇ・・・」
こめかみに指をあてて後悔していると、肩に手を置かれた。
「静雄さんは悪くありませんし、これは夢ではありませんよ?」
「・・・・・・・・」
慰めるように肩を撫でる手の先を見ると薄ピンクの着物を着た、やたら上品な雰囲気の臨也がいた。
「全く、臨也はこんな男のどこがいいんだ?」
臨也が俺に悪くないなどと言うことは死んでもないな、などと考えていると、頭上からやたら高圧的な臨也の声が降り注ぐ。
今度の臨也はいつもの臨也かと思ったら、コートのもふもふが赤かった。
「六臂、語弊があるぞ。好みは人それぞれだ」
横から金色のマントを羽織った挙げ句、王冠まで着けているブッ飛んだ臨也が現れた。
「それもそうだね、君の彼氏変態だし」
「失敬な!デリックは変態などという下賤なものではない。ただ少々他人と性癖が異なるだけだ」
「それを変態と呼ぶんだよ、日本語では」
ギャーギャーとやり合う臨也をみて頭痛がした。

「しずちゃん、だいじょーぶ?」
「あぁ。サ、イケ、だっけ?この状況をちゃんと教えてくれ」
一番ブッ飛んで見えたサイケが、既に普通に見える。人間の適応能力はすごい。
「うん!みんにゃー!自己紹介するにょー!!」
サイケの号令で全員がベッド脇に立った。


「はいはーい!俺からっ!俺はいざにゃんホワイト!サイケだよ☆好きなものはぁー津軽と、津軽と、津軽!!よろしくにぇ〜」
・・・・・・・・・・・色々とツッコミ所が多いから無視しよう。
一つだけスルーできないのは、
「いざにゃん?」
聞かずにはいられない。
「えー?気づいてにゃかったの?ほらぁ」
「うおっ!」
サイケが俺の腰に抱きついてきた。
「んーしずちゃん、いいにおいにゃぁー」
俺の腹に顔を埋めてフンフンと鼻を鳴らすサイケの頭には、白い三角が2つ付いていた。
触って見るとふわふわなのにすべすべで・・・堪らない。
「ん、にゃぁ・・・ダメだよぉ・・あんま触んにゃいでぇ」
耳がふるふる震えて、腰に回る腕がギュッと締まった。
「わ、わりぃ!いてぇの?」
慌てて手を離すとトロンと目尻を下げたサイケの顔があった。
「んーん。えっちな気分になるからにゃぁ。津軽が他の人に触らせちゃダメだって」
充血した目と、涎を零す半開きの唇がいやらしくて目を逸らす。

「サイケばかりずるいぞ」
マントを着けた臨也が声を掛けると、サイケはごめんにぇと言ってベッドの端に寝転んだ。
「挨拶が遅れたな。私はいざにゃんイエロー、日々也だ。好物は紅茶だ。以後お見知りおきを・・・」
恭しく頭を下げ、俺の手の甲にキスをした。頭にはふさふさで、少し長い金色の毛がなびく。
「あ、あの、僕はいざにゃんピンク、桜也です。えっと好きな物はさくらもちです」
日々也の腕を掴んで横から顔を出したのは、さっきの着物を着た臨也だ。耳は着物と同じ淡いピンクで、少し垂れている。恥ずかしがり屋なのか日々也の陰に隠れていて、日々也が動くと一緒に動いた。

「俺はいざにゃんレッドの六臂だ。好きなモノは月島の泣き顔。嫌いなものはアンタだ」
あの一番臨也っぽいヤツが赤いファーを揺らして俺の前に立った。
「そうかよ。奇遇だな、俺も手前が嫌いだよ」
ファーと同じ色の赤い耳を揺らしてフンッと鼻を鳴らすと乱暴にベッドに座る。安物のパイプベッドが軋んで、寝ていたサイケがに゙ゃっ!と変な声で鳴いた。

「ほら最後だよ?自己紹介しなよ、ブラック」
六臂がニヤニヤ笑って部屋の入り口を見る。
臨也がいつも着てる黒いコートを羽織って、フードを深く被ったいざにゃんがいた。
ブラックは俺と目が合うと、ビクッと肩を揺らして玄関へ向かって走り出した。
「あ!ちょ、待てよ!」
追いかけようと立ち上がったら、ブラックがびたんっ!と盛大にコケた。
「逃げるのは良くないなぁ・・・きちんと静雄を祝わなきゃ」
意地悪く笑った六臂の手には銀色の鎖が握られていた。鎖の先を目で追うと、案の定ブラックの首に繋がっている。
「おい、大丈夫か?」
「触るなっ!」
派手に顔面を打ったブラックを起こそうとすると、伸ばした手をパシンっと叩き払われた。
「んうっ!」
それを見た六臂が鎖を引っ張って、反動でブラックの体が浮く。
そしてハラッとフードが外れ、そこにいたのは・・・

「い、ざや・・?」
「シ・・・シズちゃん・・・」




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