*4

放課後の体育倉庫は、甘楽の格好の遊び場だった。
「臨也は本当、なんでも似合います☆」
甘楽は臨也の下半身だけを脱がせ、整備用の紐でM字に縛り付ける。両腕は室内用の低い鉄棒からぶら下がるように縛られていた。
「今更逃げないよ、甘楽。痛いし外して?」
ギリギリ膝がつくかどうかという微妙な位置に固定され、体重が掛かる両腕が軋む。
「そんなことは分かってます。プレイの一環ですよぅ!にしても遅いですね・・・」
甘楽が携帯のディスプレイを見て呟く。
「なんかあるの?」
「ええ。とびっきりのプレゼントです☆」

「臨也、なんのようだ・・・っ!」
言い終わるや否や開かない筈の扉が開いた。いる筈のない静雄と目が合う。
「あはっ!静雄くん遅かったですねぇ・・・来てくれないのかと思っちゃいました!」
「な、んで・・・」
「なんでって呼んだんですよ?臨也の為に!」
携帯を弄びながらクスクスと笑う甘楽を、臨也は呆然と見上げた。
「おい、なんの悪ふざけだ」
静雄は静かに、だが怒気を含んだ声で甘楽の襟に掴みかかる。が、すんでのところで避け、臨也の首筋にナイフをあてた。
「嫌ですねぇ・・・ただのお遊びですよ。臨也のことが大嫌いな静雄くんに、臨也のイヤラシいトコロ見せてあげようかと思って!」
異常な状況でも先走りを垂らす臨也のペニスに甘楽の指が絡む。
「やめて!かん・・・」
「うるさいです」
パンッ!と臨也の頬に平手打ちが飛ぶ。それだけで臨也が抵抗を止め大人しくなった様をみて、静雄は二人の関係を理解する。
「昔っからなのかよ」
「ええ。昔からです」
「チッ!」
笑顔で答える甘楽へ舌打ちで返した。
「これ、見ます?」
甘楽が静雄へ携帯を渡す。ムービーの再生画面が表示されているソレは、嫌な予感しかしない。
「っ・・・」
静雄が戸惑っていると首筋に当てられたナイフが引かれ、臨也が顔をしかめた。
「クソッ・・・」

『どうです?平和島静雄の匂いは?ん!また、締めて!本当にイヤらしい』
『んふっ・・・ぅぅ』
『好きな男の体操着咥えてチンポ突っ込まれるの気持ちいいですか?』
渋々再生を押して映ったのは自分の体操着を口に入れてセックスに耽る臨也だった。目隠しをされていた臨也は気付かなかったが、「平和島」という名前がはっきり映るようにセッティングされている。
「それ、4時間前の貴方の机です」
「かん・・・」
「黙りなさい」
「んぐっ」
顔面蒼白で震える臨也の口に指を突っ込む。
「床に溢した精液は臨也が全部キレイに舐めとったので安心してください☆」
「何がしてぇんだよ、手前!!!」
静雄の手の中で甘楽の携帯が粉々になる。
「あら、壊されちゃった」
携帯を気にする様子もなく、臨也の口から指を引き抜く。
「んぅっ・・・」
「私は真実を見せてあげたかっただけですよ。臨也がどんな人間なのか、臨也が誰のモノなのか。ねぇ、臨也?臨也は男の癖にココにチンポぶち込まれて感じる変態さんなんですよね」
臨也の首筋に流れる血を舐め、静雄に見せつけるようにアナルから出るタンポンの紐を引っ張る。
「んんっ!!」
首を振って嫌がる臨也を面白そうに眺め、奥まで挿ったタンポンを入り口のギリギリまで引き摺り出す。もう少しで綿が見えそうな所で臨也の唾液に濡れた指を突っ込んで奥へ戻した。
「ひぁっ!」
「静雄くん、抜いてみます?」
「!?」
甘楽の提案に、臨也は息を詰まらせる。
恐る恐る静雄を見つめると、そこには軽蔑でも憐憫でもない、情欲に濡れた熱っぽい瞳があった。
「・・・・・・」
無言でいる静雄を罰するかのように、臨也の傷口へ甘楽が歯を立てる。
「やりゃあいーんだろ」
臨也の前に屈んだ静雄が紐を掴む。
「臨也、わりぃ・・・」
「ひっ!ふっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ずちゅっと粘着質な音とともにタンポンが引き抜かれた。精液を吸って大きく広がったタンポンに前立腺を刺激され、しかも静雄に見られている事に興奮して臨也は射精した。
「本当にだらしないですね、臨也。大好きな静雄くんに見られるの、気持ちよかったんですか?」
大好きな、という単語に臨也の肩が震える。
「ゃぁ・・・ち、違うの、シズちゃん・・見ないで・・・」
見られまいと身を捩るが、M字に縛られた足では無意味だった。




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