ただ一つ、生まれ変わっても変わらないことを君に教えよう。 なにかを信じるということは、とてもあやふやなものだ。 気づかないうちに形を変えたり、いつしか思い出せなくなったり、恐ろしいことに、消えてなくなってしまったりもする。その原因にしたところで、完全には正体を掴めずにいるはずだ。けれど、それは確実に己の信念を挫き、捻じ曲げ、失わせていくのだ。正義を貫く心。幸せを夢見る心。誰かを幸せにしたいという心。そんな様々な思いも、いつかは消える。どれだけ強く願おうとも、夢や希望と一緒で、あっけなく折られてしまうのだ。本当は、その金ぴかを、後生大事に持ち続けていたかったはずなのに。 かくかくしかじか、常世の たとえこの世を地獄に感じたとしても、もうなにを信じられなくなっても、それが一巻の終わりというわけではないのだから。 人の生きかたは 意志目的は無限の転生をいくつも重ね。 死んだ途端に息を吹き返す。 忘れてくれるな。今生の君が持つ信念を大事することを。失くさないように抱きしめておくことを。その気持ちがいつか砕けようと、その日までは大事に持っておくことを。もし砕けても、もう一度形作られる日を待っていることを。そうやって、いまを生きていくことを。 やりたいことをやれることが、信じたいことを信じられることが、どれだけ尊く素晴らしいのか、どうか君だけは知っていてほしい。 僕は君を見るたびに、信じる心を思い出す。 ◯ | 1 / 1 | ◯ |