あとがき 1/1



 かなり自分好みの話を書いてしまいました。だから、一度落ちたときも改稿して、他の賞に出し回したりしていたんです。けれど、賞を取るようなことはなかったので、変に腐らせてしまうよりは、と公開に踏み切った次第です。
 実はね、この話、『ブライドジャック』のすぐあとに書いた話なんです。つまり、『夜明けは夢を見ない』よりも前に書いたんです。一昨年の十二月ごろでしょうか? ずいぶんと時が経ってしまいました。
 そうだよ。落ちたんだよ。フフッ。
 それでも、けっこう作りこんだり楽しめるお話になったのではないかと思っています。これを読んでくださっている方の娯楽のひとときになっていれば幸いです!

 画家と魔女のお話でした。二人には悲願があって、それを叶えるために持ちつ持たれつ、みたいな関係になる。今回はその一歩目の物語です。
 例によって、『アブラカタブラ』も続きを考えていたので、こんな感じの終わりかたになりました。
 続きとしては、「新たなる魔女&魔法使いの登場!?」「ヒストリカ、困惑……名画『大魔女』を復活させた、修繕画家現る!」「必殺・ハロルドの本気!」「背徳の君と裏切りの君の過去とは!?」「オランディア地方の魔闘競技場に参戦!」「アイオネ、実家のイギリシア地方に帰るの巻」とかですね。これらもいつか書きたいと思っています。

 それと、補足説明です。作中でドカドカとルビを振られまくっていた呪文たち。ハリー・ポッ〇ターみたいなあの呪文たち。実はあれ、英文をそれっぽくカタカナ読みしてるだけなんです。
 わかりやすいので言うと、「皆止まれ」の「フレーゼ・アル」、これは「Freeze all」です。頻繁に使われている「意のままに動け」の「アクタスミミンド」は「Act as my mind」で、物語終盤で出てきてヒストリカを悩ませた「57℃まで上昇せよ」の「ガインヒート・フィフティセヴェン」に至っては「Gain heat fifty-seven」というわかりやすさ。これに気づけたひとには拍手を贈ります。

 『アブラカタブラ』に関しては、他に語ることはありません。読めばわかる話だと思います。ただ一つ言うなら、今回のこの二人は、私の中でも大好きな二人だということです。

 ここまでお付き合いありがとうございました。
 どうか、私が小説家になれるときを待っていてくださいね! これからもがんばるぞ〜!




(2017.02.25)



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