《エピローグ》1/1


 サークルのみんなが揃える日取りにしたため、先輩の追い出し会はこんなタイミングになってしまった。麗しき三月ももう末だ。
 幹事を任された友人と食べ物の買いだしに行った。みんなからリクエストを取ったもののほとんどが酒とそのつまみで、お洒落なレストランを予約してなんていうスタイリッシュなことにはならなかった。部室でどんちゃんすることに決定したわけだが、出し物の借り物競争をどこでやるのかは決めていない。借り物競争なんて中学校以来だねー、なんて暢気に借り物をおかしな書いた紙を量産していながら、場所を用意していないのだから手抜かりすぎる。
 結局、当日は、テニス部に頼みこんで二十分だけコートの半分を使わせてもらうことにしたのだが、借り物がボールを二十個≠セったときはたいへんな迷惑をかけてしまった。面白かったのであまり反省はしていないが。
 先輩たちからのありがたいお言葉も頂戴し、追い出し会も無事終わったあと、キャンパスの中心で幹事の友人が男泣きしたのが印象的だった。
 そのわんわんとした涙とも笑いともつかない泣き声に、俺はいつかの出来事≠思い出してほろ酸っぱい気持ちになるのだ。
 なんていうかすごく恥ずかしかった。
 思い出しても悩ましい。
 某日。ド早朝に大声で結構な告白をやらかした俺は、あの場を去るタイミングをすっかり見失ってしまった。なんとか二人とも立ち上がってビルの階段を下りているときが何故かいままでで一番空気が死んでいた。家に帰ってからも微妙な心境は続いたし、すぐにベッドに逃げこんだ。いや、少し訂正しよう。ベッドに逃げこんだのは小っ恥ずかしさよりも眠気の力のほうが勝っていた。なんやかんやでアクティブな徹夜をしてしまったのだ。いくら大学生の体とはいえ、かなりの無理を強いたことになる。一晩あっちこっち歩き回ったのだから限界を迎えていたとしてもしかたがない。というわけで、シャワーも浴びず、着替えもせず、俺は健やかに眠りについた。これがだいたい二週間前のことである。
 目を離すと自殺をはかってしまいそうで一人で家に帰すのも戦々恐々としていた俺だったが、意外にもあれ以降、萩生が自殺をほのめかすようなことはしなかった。
 萩生の私生活なんて闇のまた闇。家に籠って藁人形に釘を打ちこむくらいは想像していたのに、藁人形どころか呪符一枚も、萩生は見せることがなかった。いじめのおかげで鬱屈した表情をしていただけで、根は楽しいこと好きな性格らしい。浪人生として勉強する以外の休日は、専ら映画を観るかゲームをするか。インドア感はあるけど趣味の範囲としては健全そのもの。見に行く映画の大半はコメディだと言うのだから、出会った夜のイメージとはぶっ飛んで違う。そのままあちこちにバウンドして跳ね返ってそうだ。俺の知らない萩生めぐみはまだまだたくさん出てくるんだと思う。
 何故こんなに萩生の私生活について知っているのかというと、実のところ、あれから萩生とは交流を重ねているのだ。
 もちろんそれは軽いもので、気が向いたとき、俺が一方的に電話をしたりする程度だ。通話の長さは萩生の機嫌によって決まる。もしもし≠ニ言った瞬間ブチ切りされたこともあれば、勉強の筆休めに会話が弾むこともある。どちらかといえばネガティブな発言をすることが多い。どんな意味でもだ。生きてるかと尋ねれば死ね≠ニ返ってくることも珍しくないし、話の大半は五十嵐や氷室や西園寺円華に対する愚痴だ。それもかなり辛辣なもの。だが、友達のいないあいつのことである。共通の話題の持てる、バッググラウンド込みで話の通じる俺相手に、なんとなく熱の入ったトークをかましてくるあたりが面白かった。五十嵐ハゲればいいのにから始まり、氷室ブラックホールに吸いこまれてトイレの排水管から海に漂え、西園寺さんポテチの袋開けるたび破裂しろなどなど。聞いてるこっちが笑えてくる。なんて幼稚な陰口だ。萩生になら、俺だって陰口を叩かれてみたい。どんなに面白おかしくしてくれるのか大いに期待を寄せられる。
 あとは、俺が現役大学生なこともあり、萩生の来年に向けた受験合格のため、勉強を教えることがしばしあった。正直、大学の勉強なんて勉強というよりは学問なわけだし、受験生用の試験対策問題を見てウッとなることのほうが多かった。昔の俺はこんな問題も解けていたのかやるな。上がるのは萩生の成績ではなく過去の俺の株だけである。それでも、俺の大学の授業プリントを見せると萩生が興味深そうにそれを眺めるのは、なかなか自尊心を満たされた。羨ましそうな顔をするのでお前も来年はこんなことやるんだよ≠ニ言ってやれば、すぐさま顔を顰められた。断じて厭味ではないのに。
 どうして俺がこんなお節介を焼いているのかというと、それはあのとき自分自身が萩生にした、約束からだ。
 あのとき俺は確かに言った。
 助けてやると。
 これは本心からの言葉である。
 なにを今さらなんて思われても無理はない。いじめを肯定して彼女を傷つけたくせに、一体どの面下げてそんな真似をしているのか。彼女の心中は量れないし、俺の自己満足にすぎないのかもしれない。でも、やめるつもりはなかった。
 萩生が幸せになるまでを、近くで見守りたいと思ったのだ。
「悪い。そっちに行くの、ちょっと遅れそうだ」
『別に来なくていい。一人で行ける』
「嘘つけ。お前バスの乗りかたもろくに知らないくせ」
 電話越しに聞こえたハッタリをかますような文句に俺は呆れの言葉を返した。
 緑色のコートを羽織りながら、片手で持っていた電話を肩に挟みこむ。そのあいだに腕を通してもう一方の腕も勢いで通した。幸運なことに、右手で持ち直した携帯からは、定期的なビジートーンは聞こえてこない。よかった。こいつはタイミングも考えずすぐ切るから。
 前に一度会話している途中にわけもわからず切られたことがあった。とんでもない失礼である。相手がこいつじゃなけりゃ俺は憤慨していたはずだ。
「予定通り車で迎えにいくから、お前はちゃんと家で待ってろ」
『タクシー風情が命令しないで』
「お前にとって金を取らないタクシーだぞ。もうちょっとかわいがってもらいたいな」
『死ね』
 本当に辛辣な口だ。復讐も自殺も全部剥ぎとった俺は、萩生にとっては嫌悪すべき対象なのだろう。日常会話に死ね≠ェ出てくるなんて相当だ。これじゃまるで小学生の口喧嘩じゃないか。俺がそれに言い合うことはまずないけど。
「そういえばお昼はどうした? もう食べたか?」
『食べた』
「そっか」
『比来栖くんと一緒に食べそうになるのが嫌だったから』
「一言余計だ」
 財布や車の鍵、家の鍵をポケットに突っこむ。鍵同士がジャラリと絡まるのは好きではないので、左右のポケットに振り分けておいた。
「でも見事だな。俺は食べてない。まだ時間もあるしお前と食べようと思ってた」
『へえ』
「それだけ?」
『あたしは君に謝ることも、感謝することもないよ』
「うん。知ってる」そんなこと、あの夜のときから薄々気づいてた。「だからお前が、時間の無駄だから途中で食べるなって、言わなくてよかったよ」
 俺がそう言うと、萩生はちょっとした間を置いて『そうだね』と返した。
 傷つけるつもりが予想外に躱されて不服なんだろう。淡々とした口上に似合わない早急な言葉尻から、容易く読みとれた。
「ありがたく途中でコンビニに寄らせてもらうけどかまわないよな?」
『いいよ。それくらい』
「口寂しいならお菓子でも買ってやるから」
『もうそんなことしなくてもいい』萩生は続ける。『それより、ついでに映画の前売り券買ってきてくれないかな。ストラップがもらえるんだ』
「前に観たいって言ってたやつか? ちょうど俺も気になってたんだけど」
『へえ。比来栖くんが観るまでネタバレはしないから安心してよ』
 一緒に観に行こうかってことだったんだけど、やっぱダメか。
 どうやら萩生は観たい映画は一人で観る派らしい。っていうか、どうせ友達がいないからだろって思ってる。口には出さないけど。でも、一人で観たいというのは本当らしい。観る映画がコメディなことが多い萩生は、自分がげらげら笑ってるところを誰かに見られたくないのだとか。そんなふうに笑う萩生をちっとも想像できない。少し、見てみたいとは思う。
「萩生、コメディ以外にはなに観るんだ?」
『いろいろ。興味あるものはなんでも観るよ』
「洋画も?」
『洋画も。吹替よりも字幕派』
 好きな話題を振ると比較的トゲなく会話を続けてくれる。それはこの二週間でなんとなく察していた。今日は調子がいいのでこのまま進めていくことにする。
「でも字幕って目が疲れるだろ」
『慣れたら平気。むしろ字幕のほうが奥が深くて、吹替だと物足りなく感じるくらい』
「ミュージカルの歌詞とかは確かに字幕のほうがよかったりするな」
『アニメ系とかCG系だとまた別だったりするけど。映像が綺麗なものが多い分、やっぱりじっくり見たいと思うから』
「映像重視?」
『まさか。ストーリーありきだよ。じゃなきゃ、そもそも見ない』
「そりゃそうだ」
『比来栖くん。もう家出たの?』打って変わった不機嫌そうな声だった。『さっきから話してばっかり。まさかまだ家だなんて言わないよね?』
「ごめん。言う」
 俺は靴を履きながら答えた。靴紐を結ぶために携帯を肩に挟む。なかなか上手く結べなくて、一から解きなおす。こういうのは焦ったほうが時間がかかるのだ。
『もういい。自分で行くから』
「だから送ってくっつってんだろ」
『待てない。ムカつく。待てない』
「ムカつくって俺が?」
 そうじゃないってことはわかっていたけど、掻き乱される萩生が面白くて俺は尋ねた。
『違う。わかってるでしょ?』
 萩生は俺がわかってることもわかっていたらしい。
 玄関のカウンターに置かれたハガキに俺は目を遣った。
 先週、俺と萩生のもとに一枚のハガキが届いた。俺たちのもとにというか、ある小学校をある時期に卒業した生徒には均等に送られているはずのハガキだ。差出人はなんとなく聞いたことのある名前で、どうやら幹事のようなものをしているらしい。所謂プチ同窓会≠フ。
 俺と萩生の母校の卒業生――それもおそらく同級生――から窓会のお誘い状が届いたのだ。同じ小学校の卒業生同士集まってご飯でも食べませんか、といった内容で、なんてことのない狭い町だから、簡単に人をまとめることに成功したらしい。行動力のある者たちが幹事となり、宴会場の予約も済ませ、男女クラスの隔たりなく、全員に誘いを出したのだとか。一人三千円程度でカラオケと焼肉食べ放題。歌ってテンションを上げたあと、肉をかっ食らいながら昔話でもしようというスタンスらしいのだが、萩生はそのハガキに神経を逆撫でられたのだ。
『わざわざあたしにまで出すあたりが神経を疑う。あの差出人、友達だったくせに真っ先にあたしをハブったやつなんだから。もちろん昔のことなんて水に流してますよねお互いもう大人なんだからーっていうのが見え透いてて最高にムカつく』
「もう何回も聞いた」
『あたしは比来栖くんと違って、自分をいじめてた相手と仲良くできるほど心臓が毛玉じゃないんだよ』
 心臓が毛玉ってなんだよ。
「お前本当に行くつもりか? やっぱりやめといたほうがいいんじゃないか?」
『もう何回も聞いた』
「そりゃ言うだろ、お前あっちでびいびい泣いたりしないだろうな」
『そっちが泣いてろ』
「泣くか。むしろ笑ってやるよ」
『最低』
「冗談だって」結べた靴紐に満足し、俺は立ち上がる。「お前のことは、もういじめないよ」
 俺はあのとき死にたがっていた萩生を助けたのだ。終わらせることでしか報われなくて、つらくてつらくて苦しい人生を、それでも生きていこうと、萩生を助けることで、虐げたのだ。
 もうあれで最後だ。生きてくれるのだから、俺はこれ以上萩生を虐げたりしない。
『あっそう』
 萩生はぶっきらぼうに言った。
 俺は家を出て、ドアの鍵を閉める。
『言っとくけど、それ当たり前のことだから』
「それを言われればそうなるんだけど」
『だから、そんなことはどうでもいいよ』
 どうでもいい。
 だって俺はそれ以上に、萩生の思いを殺したのだ。
『あの日生かした責任は取ってもらうから』
「もちろんだ。お前は俺がちゃんと幸せにしてやるよ」
 ちなみに、同窓会は今日の昼二時から行われ、萩生を車に乗せて二人で向かう手筈になっていた。会場までの距離は車で三十分ほど。参加者全員が行きやすい中間地点を選んだらしい。値段といい距離といい、なかなか良心的な同窓会と言える。
 しかし流石の萩生めぐみ。
 ただ単に同窓会を楽しむ気は毛頭ない。
 どうやら、大量の水風船ならぬペンキ風船を用意して、能天気そのものの同窓会をメチャクチャにしてやろうというのが、復讐を諦めきれない萩生の思惑のようだ。恨み深い人間を筆頭に顔面をペンキまみれにしてやる。ハガキを受け取ったときから萩生が叫んでいた怨念だった。
 あの夜企てた復讐よりかはよっぽど安全に思えたが、せっかくの同窓会が丸潰れるのはどう考えても確実だ。サイケデリックなカラーが部屋群衆一面を蹂躙し、その真ん中で爛々とした目で萩生が佇んでいる――そんな光景が目に浮かぶ。考えただけでも悪夢だ。正気じゃないだけ悪夢のほうがマシとも言えるだろう。
 今も俺の遅刻を批難しながら、せっせとペンキ風船をこしらえているに違いない。
 なんて困ったやつなんだ。
 これから俺に、どこに連れていかれるかも知らないで。
「そういえば萩生、お前今日どんな格好してる?」
『えっ? いきなりなに』
「かわいい格好してるかって聞いてるんだよ」
『もう切っていい?』
「なんでだよ。いや、ほら、出かけるんだから。どんな格好してんのかなって」
『別に普通……ちょっとはおしゃれしたかな』
「そっか。ならよかった。じゃあ、あと十五分くらいでそっち着くか――」
 切られた。
 まあ答えを聞けたあとでよかったけど。
 俺は携帯をポケットにしまって車に乗りこんだ。今日はカラッと晴れているおかげでタイヤの調子もよさそうだ。シートベルト、ルームミラーを確認したあとエンジンをかける。
 実のところ、俺は萩生を同窓会に連れていく気はこれっぽっちもなかった。
 行ったところで萩生が楽しめないのは明らかだったし、ペンキ風船大作戦とかいうちょっと韻を踏んでウケを狙ったまったくウケない計画を聞いたときにこれはだめだと確信していた。
 萩生にはもう少し楽しむことを知ってほしい。
 それはきっと、嫌いなやつらの家をバールを持って徘徊し回ったり、ずっと憎んでいた小学校時代の旧友にペンキ風船をぶつけるようなことじゃない。もちろんそれはそれですっきりするはずだ。結構すっきりするはずだ。正直な話、かなりすっきりするはずだ。でもそれと同じくらい嫌な思いだってするはずだ。
 俺が萩生に見出したのは、嬉々として風船にペンキを詰めることでも一人で映画を観に行くことでもない。そんな行為が萩生を幸せにするとは生憎のところ思えない。
 そこで俺は、恋人とのデートプランとして設計していた一日を、そのまま萩生にリードしてやることにした。今日萩生が行くのは小学校の同窓会なんかじゃない。休日を返上してわざわざ下見した水族館に、そこから程なくしたところにあるフレンチレストランだ。我ながら最高の一日を提供できる計画である。俺が女なら惚れていた。まさしく自惚れである。まさか恋人のために計画したプランを恋人じゃない女と過ごすなんて。二週間前の俺だったら考えられないな。自分のことを痣ができるまでぶん殴ってる。惚れたり腫れたり忙しいやつだ。
 まあ萩生のためというのは大義名分で、実際は平穏な同窓会をぶち壊すような乱暴を起こしてほしくないだけである。我ながらシビアな本音だ。騙される萩生が可哀想になってくる。
 いいさ、小理屈を捨て外に出よう。
 利己的な動機を肯定する。
 別に非道ってわけじゃない。
 堂々としていいだろう。
 少女の不幸で成り立っていた俺の人生のディレクションは、その不幸を上書きすることに決定されたのだから。
 これまでに一度でもいじめをしたことはあるか。
 答えはイエス。俺はある。
 そんな俺に罰が当たったのは二週間前。その日は俺にとって忘れられない夜になる。麗しきくそったれの三月は絵本のように閉じていく。そう、これがエピローグだ。救いようのない話は、アクセルを踏むと同時に一段落。


 ここからは、別の話になる。


 不安がっちゃいけない。お待ちかねだと拍手で迎えてくれ。そんな苦々しい顔をしなくてもいい。むしろ笑顔を忘れるな。くそつまんなかった俺の話はもう置いておこう。いっそここからが本番だ。今から語るのは萩生めぐみ、彼女についての物語だ。
 なに、そんなに重ったらしい話じゃないさ。あいつの大好きなコメディ映画も裸足で逃げだす超喜劇だ。時には涙し時には笑い、クライマックスでは予測もつかない大団円。飲食のお供にするのはご遠慮いただきたい。流行りの歌を流すなんてもってのほか。そんなことをしなくても興奮で腹は膨れるし、感動で耳は色めく。広場で講演していた紙芝居を見る子供の目を、誰もがもう一度手に入れることになる。入りこめばもう逃げられない。刺激的な展開に引きこまれること請け合いだ。観賞後のクレームは一切受けつけない。とはいえ、クレームを送る気になんてきっとならないだろうけど。
 これまでの彼女の人生はまるで底なしの谷のようだった。落ちるところまで転がり落ちて、あるときどん底に辿りつく。見ていられないほどの不幸に、誰もが目を塞いだことだろう。けれどもう心配はいらない。行き着いてしまえばあとは登るだけ。長い時間はかかるのかもしれない。けれど絶対に、彼女はこれから輝きだす。皆さんが目撃者。
 ここまでのお膳立てを、もしかしたら彼女は嫌がるのかもしれない。客寄せパンダだと自分を罵り死ねと俺を罵るだろう。本当にいいことないな。心を砕くとはまさにこのこと。ガラスのハートは粉々になる。とはいえ熱して固めれば元通りなのでただの杞憂だ。俺はそんなことでくじけたりしない。かつて彼女の希望そのものだったチョコレートのお菓子がなくたって、幸せになれることを証明してみせる。これはそれの始まりだ。
 だから、どうか、聞いてくれ。

 やっと誰かが報われる。そんな救いの物語だ。



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