あとがき(1/2)




「危険な猪を退治したものは王女を嫁にやろう」
グリム童話の『歌う骨』という物語から、この話のタイトルを頂きました。

私の書いた歌う骨という物語は、まず最初に“ナマコ”という単語が強い主張を見せ、そのおかげでタイトルをつけるのにすごく時間がかかってしまいました。結果的にグリム童話からそのまま名前をお借りしたわけですが、今ではそれなりに気に入っています。

歌う骨を書いて約五ヶ月が経ちましたが、イヴとオズワルドを頭の中から追い出せた日は一日だってありません。完結を迎えたと同時に「ああ、やっと行ってくれたか」と思う反面、少し寂しい気もしています。もしかすると気づかないうちに、私の頭の中がエグラドとすり替わっていたのかもしれない。
これは以前ある場所でも呟いたことなのですが、実はイヴとオズワルドは決して仲間らしい仲間というわけではないのです。イヴはオズワルドに対し内心では「なんで俺はこいつと一緒にいるんだっけな」と思っているだろうし、オズワルドにしてみてもイヴを他人に毛が生えた程度にしか見ていないはずです。けれど仲間だから共にいる。仲間という響きに助けられている。本当に曖昧な関係性でした。けれどそれが運命であり、だからこそこの最終話を以て、その絆は運命から、本当に仲間になるんだと思います。きっとこれからは真の意味で、一緒に生きていけることでしょう。二人はこれから始まっていくのです。
私の頭の中からはいなくなってしまいましたが、いつでも帰ってこれるように、微妙な形で終わらせることにしました。続編という形でまたその姿を見ることがあれば、私と一緒に「おかえり」と言ってやってください。

完結までお付き合いいただきありがとうございました。


ちなみに私は、ナマコ、食べたことないです。


(2014/12/21)





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