「……レン、何故お前が」
ここにいる。
今すぐにでもそう叫びたい気分だった。ぐらぐらと視界が歪む。うまく思考が働かない。
さっきのバトルの影響かまだ手がびりびりと痺れていた。
(お前は、まだ…)
あんなバトルに執着しているのか。お互いが傷つく「決闘」という名のヴァンガードファイト。
バトルが終わるまで無くならない激痛、恐怖、絶望。そんなバトルに未だアイツの心は囚われているのか?
「アイツがこの街にいる。だとしたら…」
目的は何なのか…この街のヴァンガードを恐怖で支配しようというのか、それとも。
(俺を、探しているのか)
探しているのだとすれば、三和やアイチたちを巻き込むわけにはいかない。
原因は俺自身にあるのだから。俺がレンから逃げたから。
『櫂、絶対に逃がさない』
耳元で囁かれた気がした。その瞬間、ゾクリと身体が震えた。
レンが、傍にいる。
この街の中に、すぐ近くに。
(俺、…は)
逃げられない。
逃がしてもらえない。今はほんの少し、アイツの気紛れで外に放たれているだけ。
捕まれば、見つかれば、自由は一瞬で奪われて、また……
『櫂、迎えに来たよ…。』
あの、闇に………。
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原作しかレンさん資料なくて口調わからん辛…。