命を差し出してもいい
というのは少々…いや、かなり言いすぎだろうか?
アイツが聞いていたら呆れた顔でため息をついたことだろう。
しかし実際それぐらいアイツのことを想っているのだから仕方ない。
惚れた弱味というやつだ。
それは仕方ない。だって櫂が好きで好きでたまらないんだから。
「なぁ、櫂」
「………ん?」
「俺のこと好き?」
我ながらすごいいい笑顔だと思う。櫂は急に何だと言いたげに眉間にシワを寄せるが、俺が待ってるのはそんな不機嫌そうな顔じゃなくてさっきの問い掛けの答えなワケで……
「please your answer?(なあ、答えて?)」
昨日偶然観た映画のどこかで言ってた覚えたての英語で再び問い掛ける。
ますますシワの寄る櫂の眉間
そろそろヤバイかな?
と思った矢先。
はぁーっと長いため息のあとに櫂は口を開いた。
「You make me happy(お前は俺を幸せにしてくれる)」
そう言われて意味がわからなくて必死に考えてる途中、櫂がまた小さく呟いた。
「I love……you」
ああ、お前のためなら
命なんて惜しくない。