初っぱなからヤッてるだけ
夏場の夜みたいにじっとりとした暑さ。ギシギシと音をたてるベッドのスプリング。
荒い息が行き交う。夜のネオンがカーテン越しに部屋の中を照らす。
「っは…ぁ」
ゆっくりと息を吐く音。
それと同時にズチュという水音が響く
「んぁ…ッ!」
少し荒っぽかったせいか、苦痛に顔を歪めたのがネオンの光で見えた。
汗で額にかかる髪を撫でながら払う。いつもは強い意志が宿る翡翠と目が合う。
その目にはいつもの強さはなく、少し潤んでわずかな光に揺らめいている。
「んな顔すんなよ…」
「っるさい。…ヘタ、クソ」
「櫂…力、抜けよ…」
櫂の嫌味を軽く無視してしっかりと腰を掴む。それを合図に一気に突き上げ、部屋の中に響く水音が一層激しくなる。
「ッん!」
さっき十分に解かした櫂の秘部はしっかりと俺のモノを銜え込んで厭らしく音をたてる。
その姿がいつもの誰も寄せ付けない櫂とは違ってすごくそそられる。
「声、聞かせろよ」
「あ…ッ、ん…三和ぁ」
無理に押さえても唇の隙間から出る声がエロい。
そんな声で名前なんて呼ばれたらますます興奮する。
「中、出していいよな?」
そう聞いたけど正直櫂からの返答を待つほど俺に余裕なんかなかった。
問い掛けた次の瞬間には俺は櫂の中に欲望の全てを吐き出していた。
「ひぁぁっ…ん」
俺が吐き出すとほぼ同時に櫂自身からも白濁が出された。
色々と激しくしたせいで櫂はそのまま気を失ったみたいで、小さく寝息をたてている。
「………苦」
指に絡ませた櫂から出た精液をそっと舐めてみた。
櫂が起きてたら間違いなく殴られていただろうけど都合よく眠ってるから…とやってみたものの。
わかってたけどウマいものじゃないよな。
「ん…み、わ…ぁ」
「何だよー」
寝呆けて俺の名前を呼んでる櫂の顔はホントいつもの仏頂面とは違って可愛い。
俺は返事をしながら額にチュッと口付けてやる。
それに満足したのか小さく笑ったあとまた寝息をたて始めた。
朝起きたらまた怒られるんだろうなぁー
とりあえずその時がくるまで愛しい恋人の隣でその寝顔を見守ることにしよう。