―突然のことだった。

確か、僕はカードキャピタルで櫂くんとヴァンガードファイトをしていて、ドラゴニック・オーバーロードがブラスター・ブレードにアタックしてきたとき。
急に眩しい光が僕らを、僕と櫂くんを飲み込んで…

太陽に似た眩しさに目を覚ました僕は、カードキャピタルの天井じゃない、真っ白な天井と目が合った。
光に反射した白い天井に少し目が眩んだけど、気持ちがいい風が吹き抜けた。

「…こ、こは?」

起き上がると僕はふかふかのベッドの上にいた。見たことない装飾がたくさんついたすごく豪華で広いベッド。
確実に僕の部屋ではないみたい。
キョロキョロと部屋の中を見渡して、隣の椅子に……犬?

犬しては珍しい毛色だな…青い毛色の犬なんていたっけ?それにピンクのたてがみみたいな………この犬、どこかで見たことがあるような。

『わう!わうわう!』

「うわぁぁっ!!」

突然犬が吠えだして僕は驚いた。叫びながら布団を被った。
…でも何だろう。やっぱりあの犬に見覚えが…

『ういんがる!』

さっきの犬とは違う、人の声が聞こえた。
え、でも今『ういんがる』って言った?

『わう!』

『ダメだろう?マイヴァンガードを驚かせては。』

そっと布団から顔をのぞかせる。青い犬。ういんがるを撫でている鎧姿の………ブラスター・ブレードッ!?

『お目覚めになりましたか。マイヴァンガード。』

「えっ?えぇ?!」

僕は状況が理解できなくてただただ驚くだけだった。
そんな僕を見てブラスター・ブレードは笑って手を差し伸べた。

『参りましょうマイヴァンガード。騎士王がお待ちです』

「え、あ、あの…」

ブラスター・ブレードから差し伸べられた手を取るべきなのか、僕は迷ってた。
この手を取ったら僕は、何処へ行ってしまうんだろう。そもそも僕はまだ……。

『ご心配なく、マイヴァンガード。全ては騎士王がお話になって下さいます』

騎士王アルフレッド。
僕はここが何処なのかも、何故僕がここにいるのかも何もわからない。
でもアルフレッドに会えば、わかる気がしたんだ。

一緒に光に包まれた櫂くんは、無事なんだろうか…。