―ここは、何処だ?

俺は確か、カードキャピタルでアイチとヴァンガードファイトしていたはずじゃなかったか…?

そうだ。確かにそのはずだったのに…今俺がいるのはどこまでも続く草原。

これは夢、何だろうか?
夢だとしたらこの吹き抜ける心地好い風は幻なんだろうか?

覚えがないはずのこの場所に立つのは実際は初めてだがどこか見覚えがあって、懐かしい感じさえする

「…ここは」

心地好い風がまた吹き抜ける。と、同時に何かの鳴き声。
鳥とは違う。もっと大きくて、まがまがしい鳴き声。
そう、俺が使い慣れているかげろうのドラゴンたちのような…

空を見上げれば黒い影が青空を埋め尽くす。
大きな影、小さな影とまちまちで、その影たちは巨大な翼をはばたかせ舞う。

一番大きな影がゆっくりと俺の前に降り立った。

紅の巨大な体と翼。鋭い牙。
全てを飲み込み、押し潰すほどのプレッシャー。
コイツは、俺が一番よく知っている姿。

『お迎えに参りました。マイヴァンガード』

顔に似合わず礼儀正しい口調の巨大なドラゴンは、そう言って俺の前に跪いた。

コイツの名は「ドラゴニック・オーバーロード」
俺の持つかげろうの中で最も信頼しているユニット。

そしてここは惑星クレイ。
ヴァンガードのユニットたちが住まう地球によく似た異世界である。