リンリンと響く。 何かと思って振り向くと、鬼道さんがいた。駆け寄ると、佐久間と言ってふわりと笑った。つられて俺も笑った。 リンリンと響く。 よく見ると鬼道さんじゃなくて源田だった。なんだお前かよって言うと、酷いなぁと笑いながらため息をついてくるりと後ろを向いた。 リンリンと響く。 俺に背を向けた源田は頭を抱えてうずくまった。どうしたと声をかけると、やつは静かに立ち上がった。 振り向いたそいつは豪炎寺だった。 鬼道さんを雷門へ引き抜いたエースストライカー。思わず首に手をかけると無表情のまま、円堂、と呟くように言った。 リンリンと響く。 鬼道さんをサッカーで惚れさせた雷門のキャプテンは笑って、鬼道はいいMFだと言った。笑った顔が憎くて憎くて仕方がなくて不意に添えた手に一層力を込めた。 リンリンと響く。 痛いじゃないか佐久間、と大好きな声が苦しそうに言った。 101107 title:にやり |