『静雄、今日で"ごっこ"は終わりだ。別れよう。じゃあね』



このメールを最近はよく見る。
携帯を開くと見てしまう。それが正解だった。
名前からのメールだ。


もう、2ヶ月経った。
名前は九州にあるばあさん家に行ったらしい。後で名前の友達、篠原から聞いた話だ。
急に担任に退学するって言って直ぐ、九州に向ったらしい。



2ヶ月前、メールを見て急いで学校に向った。
教室にある俺の机にでかく書いてあった。

『王道はバニラに譲ってやるよ』

彫刻刀で掘られてた。
どうしてくれるんだ、後2ヶ月使うんだぞ。
そう思ったけどこの惨状を見た担任が替えてくれるって言った。断ったけどな。



メールを見るたび思う。

アイス食っただけだ。
王道はどっちかのケンカしただけだ。



それだけだ。



究極に物足りなくて、消失感だか喪失感だか虚無感だか知らないがそんな感情が渦巻く。





俺は名前が好きだったんだろうか。

まあ、あんなズボラな性格だけど、嫌いではなかった。
面白い奴だと思った。ヒヤヒヤさせられたけどな。



心残りは特にない。と言えば嘘になる。
探したらキリがないので探さないだけだ。


ただ、一番言いたいのはやっぱり



「ちゃんと話したかった、な…」



騙されてたかもしれない。
真相は名前しか知らないと思う。


臨也から無理矢理に名前の家を教えてもらって、名前の親父さんとお袋さんに会った。

俺と名前が1週間とは言え付き合ってたと言うことは全く知らなかったらしい。

名前の友達――篠原は罰ゲームを提案した日とそれがバレた日しか話してなかったので名前の本心は分からないって言ってた。

ノミ蟲の奴も関わってたらしいが、見てるだけがそもそもの約束で、更に嫌われてたらしく全く話してないらしい。




また、会えるだろうか。

その時にはちゃんと聞く。
今度会った時、冬だろうがチョコアイスの3段重ね食わせて凍えさせてやる。
そんで俺もチョコの2段を食ってやる。

そん時また、ケンカできたらいいと思う。
今度は俺が王道を譲るから。



名前の携帯アドレスはいまだ俺の携帯に居座らせている。
連絡をしようかとも考えたけど、繋がらなかったりしたら嫌だから、やっぱりこのままでいい。





やっぱり俺は、名前が好きだったんだろう。


なら、今度は俺が公衆の面前で堂々の告白をしてやろう。
あれがどれだけ恥かしいか身を持って知るがいい。

そんで今度は俺が騙してやる。
いや、好きだって言って騙すんじゃなくて。

そしたらデコピンしてやる。
殴るのは怖いしな。



でもまずは、1週間だけ友達でいたい。
そーすりゃ、名前も俺のこと、
















好きになってくれるかな




2010.10.23...end.


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