６

---

罰ゲームのことがバレて３日過ぎた。
今日は４日目だ。
今日も静雄は学校に来ない。

紛れもなく私のせいだ。

だから別れ話をしようと思っていた。
早く会いたい。いや、会わなければ。


かと言って勇気もなかった。
軽蔑されるのは嫌だ。
まあ、既にクラスメイトの何名かからは軽蔑の眼差しが送られてきているけど、やっぱり静雄に軽蔑されるのは相当きつい。何でだ。


でもね、静雄。
私達、一応は付き合ってるんだよ、まだ。
別れ話をしなきゃ、自然消滅もあるけど、それはまだお別れじゃない。
距離ができただけだ。

だからまだ付き合ってるんだよ。
何か言ってくれなくちゃ、別れるのかこのままなのか。


でも、きっと"別れる"が正解だ。

でもやだ。正解でも嫌だ。


ごめんね静雄、私は逃げるを選ぶよ。




****


結局２日と持たなかった。

もちろん名前とシズちゃんのことだ。
恋人ごっこは残すところあと１日。
あの日以来シズちゃんは学校に来ていない。

正確には"来れない"だけど。
俺が送り込んだ不良の皆さんにシズちゃんの足止めをしてもらってるしね。

だってシズちゃんってば反応があまりにつまらな過ぎて。面白くない。
なら名前は罰ゲームのことがバレてから学校に来なくなったシズちゃんに対してどう言う態度を取るんだろうか。

まあ、元々ヒマ潰しだったからどうなろうがもう知ったことじゃないんだけど。
どうせなら最後まで見ていたいじゃないか。



そして分かったことがある。

名前、君は馬鹿だ。
そんなこと、シズちゃん如きにする必要はないと言うのに。



ああ、本当に馬鹿だ。

もったいない。




****


どう言うことだ。
もう疲れた。


学校に行きたいのに、ちゃんと名前と話したいのに。
いつも邪魔が入る。
どうせノミ蟲かなんかの手先だろう、最悪だ。

いつも以上に増えた一方的なケンカ相手。

いい加減にしてくれ、名前と話させてくれ。

理由が知りたい。
本当に罰ゲームだったのか。
だって、聞いてない。名前の口からちゃんと聞いてない。


騙してたのか、それは最初だけだったのか、あの日まで騙してたつもりだったのか。
教えてくれたらそれだけでよかったのに。




****


「先生、自主退学したいのですが」



今更転校しても仕方がない。
なら、途中退学でいいのだ。

彼と会って、別れ話をするくらいなら、会わないで別れる方がずっといいから。


- 6 -